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“ありのままを受け入れて”“違いの尊重を”/日朝文交主催シンポ、パネリストの発言

2025年11月25日 11:00 訪朝 交流

日朝文化交流協会が主催したシンポジウム「朝鮮を知る、人を知る」(11 月 23 日、日本教育会館)では、KOREAこどもキャンペーン事務局長の筒井由紀子さん、写真家の林典子さん、翻訳家の米津篤八さんがパネリストとして登壇。各氏の報告に続いて、ジャーナリストの阪堂博之さんによる進行でディスカッションと質疑応答が行われた。

信頼構築で壁の向こうへ

日朝文化交流協会が主催したシンポジウム「朝鮮を知る、人を知る」ではパネリストの報告後にディスカッションと質疑応答が行われた。

ディスカッションではまず、「なぜ朝鮮の現状が日本でほとんど知られていないのか」という阪堂さんの問題提起について意見が交わされた。

米津さんは、日本社会にはいまだに「朝鮮は貧しい」という1990年代のイメージが固定化していると指摘。現在の姿を伝えようとすると「プロパガンダ」「肩入れ」と受け取られかねず、メディアが現地で取材しても報道に至りにくい構造があると述べた。

筒井さんは、朝鮮での活動に同行した日本メディアが映し出す若者の等身大の姿に、多くの日本人視聴者が驚きと関心を示していたと紹介。そのうえで、編集に関わる人々が実際の映像を見て現地の様子を知ることが、報道姿勢を変えるきっかけになり得ると語った。

林さんは、大手メディアには結論ありきで取材対象を「誘導」し、センセーショナルな側面を報じようとする傾向が強いと問題点を挙げ、時間をかけて相手と信頼関係を築き、予想外の現実をそのまま受け入れるようとする姿勢が欠けていると懸念を示した。

これらの発言を受けて阪堂さんは、結論ありきの報道では事実が恣意的に切り取られがちだと述べ、そうした壁を越えて朝鮮とそこに生きる人びとの姿を文化を通して伝えていくことこそ、日朝文交に求められる役割だと強調した。

続いて阪堂さんが、「朝鮮を知る、人を知る」ことの意味についてパネリストそれぞれの思いを聞いた。

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