多極化に応じたアプローチを/国際シンポジウムの発言要旨
2025年11月17日 11:20 対外・国際国際シンポジウム「多極化時代の東アジアと朝鮮」(15日、朝大)では、ロシア科学アカデミー東洋学研究所のA・V・ヴォロンツォフ朝鮮・モンゴル担当部長、東洋学園大学の朱建栄客員教授、朝大外国語学部の林裕哲准教授、朝大の李柄輝教授が報告した。発言の要旨を紹介する。
共通の危機認識が協力関係に/A・V・ヴォロンツォフ部長
世界的な多極化潮流の中、ロシアが自己のアイデンティティおよび国益を守護するという確固たる方針を打ち出すにつれ、米国の敵対姿勢が強化され、反ロシア的な性格を強めたNATOの旧ソ連圏への無制限な拡大がウクライナを巡る紛争を誘発した。ロシアの地位強化、特に特別軍事作戦に対する西側諸国の植民地主義的慣行を想起させるヒステリックな反応は、結果的に多極的世界の形成を加速させている。その例として、多くの国々の間で進んでいる相互貿易における自国通貨決済、西側の統制を受けない銀行間協力メカニズムの創出、新たな国際輸送回廊の建設などが挙げられる。
ロシアは平等の原則に基づいて地域的な国際組織との協力を積極的に強化しているが、西側諸国には公正なルールに基づく組織がなく上下関係が存在するのみだ。プーチン大統領は、国際関係における不公正な体制を固定化しようとする西側エリートの強い欲望は、かえって自らの状況を悪化させていると指摘している。
ロシアと朝鮮の間には、

多極化時代の東アジアと朝鮮/朝大で国際シンポジウム