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<朝青結成70周年記念行事>朝青員が挑んだ演劇「未来への選択」

2025年10月03日 14:07 総聯 文化

活動の意義と未来を問いかける

総合文化公演で行われた演劇「未来への選択」

在日本朝鮮青年同盟結成70周年記念行事(9月21日、東京中高)の第1部・総合文化公演では、演劇「未来への選択(미래를 알리다)」が披露された。

朝青活動の意義を問う

演劇「未来への選択」は、現代を生きる朝青員に「なぜ朝青活動を行うのか」という本質を問いかける、この日のために創作された作品である。

脚本と演技指導を担当したのは朝青墨田支部の玄水香さん(26)。今年2月から脚本づくりに着手し、7月からは本格的に稽古を開始。出演者たちと朝青活動の意義について議論を重ねながら、意見を取り入れて徐々に完成させていったという。

物語に登場するのは、平凡な朝青員だが朝青結成70周年記念公演事務局にメンバー入りした「主人公」・朴悠安、冷静で頼りがいのあるリーダー「事務局長」・梁昌樹、真面目で理知的な「教員」・李琇禎、情熱的で感情豊かなムードメーカー「歌手の卵」・文龍大、研究熱心で独特な存在感を放つ「AIオタク」・尹大燈の5人(いずれも役と出演者の名前は一致)。劇中では、コミカルな演出が随所に散りばめられ、5人の登場人物の感情がぶつかり合うシーンが観客の目を引いた。

演劇は、朝青結成70周年記念公演の形式をめぐる事務局会議から始まり、「演劇かミュージカルか」「AIを使った未来予測か」と様々な意見が飛び交う中、「事務局長」が「公演で伝えるべき思想は何か」と問い直す。

30年後の未来――「朝青結成100周年事務局」から届いたメールが会議を揺さぶる。そこには、朝青員の激減や朝鮮学校の消滅を前提とした「民族語学スクール」の姿が記されていた。未来の現実に直面した事務局メンバーは、改めて「朝青活動の本質」にと向き合うことになる。

最後の事務局会議を前に、「主人公」に未来の自分からメッセージが届く。

「どんな未来を作っていくかの責任は、その時代を生きるすべての人々にある。だから未来を諦めて見て見ぬふりをするのは、一番無責任な選択だ。重要なのは完全な納得ではなく、未来を選択する今日の覚悟だ」

議論の末、70周年記念公演のテーマは「未来への選択」に決定。自ら未来を切り開くという決意を日本各地の朝青員に伝えるという意味が込められた。最後に事務局メンバーが記念写真を撮る場面で演劇は幕を閉じた。

玄さんは「朝青の未来は作っていくもの。諦めたらそこで終わり、踏み出した小さな一歩が朝青の明るい未来につながる。今日の演劇が『未来のために何ができるか』を考えてくれるきっかけになれば」と語る。

留学同東京で活動する裵時瑛さん(女子美術大学3年)は、「主人公が活動に対して思い悩む姿に共感したし、未来を作るのは今の自分たちだというメッセージを強く感じた」と話し、「人と人とが向き合い、対話を重ねることで運動を良い方向へ動かせるというヒントを得た」と振り返った。

演劇初心者の声

「主人公」役の朴悠安さん(右)と「事務局長」役の梁昌樹さん

出演者5人はいずれも演劇初心者だった。

主人公を務めた朴悠安さん(23)は、「大舞台で大役を担う不安があった」が練習を重ねるうちに、役を通じて、「今を生きる朝青員の力になりたいと思うようになった」と語る。さらに「同胞社会の縮小を前に『この先朝青に未来があるのか』と諦めそうになる主人公と向き合い、自分自身の朝青活動への思いも変化した。きっと朝青活動に対して同じ悩みを抱えている仲間がいるはず。演劇が少しでも気持ちを前向きにするきっかけになれば嬉しい」と続けた。

また「事務局長」を演じた梁昌樹さん(29)は、「出演を通して同志の存在の大切さを実感した」と振り返る。「演劇では未来を模索するなかで団結し、その末にかれらの考えが変わっていった。朝青活動でもお互いに信頼しあう関係が重要だと認識した」と語った。

(尹佳蓮)

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