高校、幼保無償化適用を要請/日朝全国ネット、国会議員が文科省へ
2025年09月29日 14:40 権利「日本と朝鮮を結ぶ全国ネットワーク」(日朝全国ネット)の第2回総会とシンポジウムの前日(26日)、中村元氣共同代表(福岡県日朝友好協会・共同代表)をはじめとした日朝全国ネットのメンバーらは、「朝鮮学校に対する公的助成の実現をめざす国会議員の会」の石橋通宏参議院議員(立憲民主党)ら8人の国会議員と共に、文科省に対して朝鮮学校の高校無償化、幼保無償化適用を求める要請活動を行った。
国会議員を代表して発言した石橋参議院議員は、日本が国連人権諸条約の締約国であるにもかかわらず、朝鮮学校を高校無償化や幼保無償化制度などから除外し、子どもたちが享受すべき当たり前の権利を剥奪、阻害していると指摘。国連人権機関から朝鮮学校差別に対する是正勧告を受け続けているが、日本政府は一向に是正に向けた真摯な対応をしていないと語気を強めながら、朝鮮学校への制度適用を求め、今後も国会議員らが政府に対する働きかけを行っていきたいと語った。
要請では、高校無償化、幼保無償化制度からの朝鮮学校除外を止め、在日朝鮮人の人権保障を求める内閣総理大臣および文部科学大臣宛の要請書が、文科省担当者に手渡された。
つづいて、日朝全国ネットのメンバーや国会議員らが発言。文科省の担当者は、「(朝鮮学校は)法令上定められた基準に適合するに認めるに至らなかった」「現時点では(朝鮮学校への制度適用を)改めて検討する予定はない」といった判で押したような答弁に終始した。
参加者の発言では、「日本人ファースト」を提唱する政党により外国人差別、排斥の風潮が高まっていることに関する言及もなされた。文科省側の大臣官房国際課企画係長は「(外国人政策については)誤ったメッセージが伝わってはいけないと考えが政府全体の問題意識としてある」と回答したが、参加者からは「朝鮮学校の制度除外自体が間違ったメッセージではないのか」と鋭い指摘が飛んだ。
要請活動に参加した日朝全国ネットのメンバーらはその後、文科省前での金曜行動に合流。マイクを握った中村元氣共同代表は要請活動の内容について触れたうえで、「朝鮮学校への制度適用のために日本各地の仲間たちがアクションを起こしている。一人ひとりの声は小さいかもしれないが、各地の声を集めれば大きな力、連帯の輪になる」と熱いエールを送った。
この日の金曜行動には、各地から集まった日朝全国ネットのメンバーや朝鮮大学校の学生、オモニたち、学校支援団体のメンバーら約70人が参加。参加者たちは横断幕を手に約1時間にわたりシュプレヒコールを上げ、最後に歌「声よ集まれ、歌となれ」を合唱した。
(文・李永徳、写真・許侑琳)