〈関東大震災朝鮮人虐殺102年〉神奈川・久保山で追悼会
2025年09月16日 09:19 スポーツ重要なことは「反省と継承」

横浜市の久保山墓地で執り行われた関東大震災時朝鮮人虐殺神奈川追悼会
関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会(以下、実行委員会)が主催する追悼会が6日、神奈川県横浜市の久保山墓地で執り行われた。同墓地の敷地内にある「関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑」前で行われた追悼会には、同胞、日本市民ら330人が参加した。
実行委員会は、大震災から90年となる2013年に、公益財団法人横浜YMCA、一般社団法人神奈川人権センター、神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団との共催で初めての追悼会を開催した。それ以来、追悼会は、震災当時に久保山の地で「電信柱に、半裸体で荒縄で後ろ手に縛りつけられ、血まみれになった朝鮮人の死体を見」た故石橋大司さんが、「日本人として決して忘れてはならぬ歴史的事実を残したい」と1974年に建立した朝鮮人犠牲者追悼碑の前で毎年行われている。

舞踊家・曺和仙さんが追悼舞を披露した
追悼会では、参加者全員で黙とうをささげた。
続いて、主催者あいさつを行った山本すみ子さんは、「大震災当時の『朝鮮人は殺しても構わない』という考えが、今の日本社会において外国人差別の形として残っている」とし、「虐殺の事実を受け止め反省し、それを継承していくことが重要だ」と強調した。
追悼会では、立教大学准教授の金迅野さん、「関東大震災茅ヶ崎での朝鮮人虐殺犠牲者を追悼する市民の会」の生越哲男さん、社会民主党党首の福島みずほ参議院議員、日本共産党書記長の小池晃参議院議員の4人が発言した。

神奈川中高・中級部1年生による合唱
金迅野さんは、虐殺現場を見て回ったときのことを振り返りながら、「現場の風景からかつて虐殺が行われていたことを想起することはとても難しい。朝鮮人虐殺を『なかったこと』にしようとする精神が蔓延している。さらに恐ろしいことは、その虐殺の歴史をなかったことにしようとしていた事実そのものまで、『なかったこと』になることだ」と語った。
生越哲男さんは今年初めて行う朝鮮人虐殺茅ヶ崎追悼会を「茅ヶ崎市で虐殺された5人の犠牲者を追悼し、名誉回復を図ると共に、虐殺の事実にしっかりと向き合い、二度とこのような事件を起こさないことを心に刻む機会にしたい」と話した。
福島みずほ参議は、流言飛語によって多くの朝鮮人が虐殺されたことについて言及しながら、「差別は多くの人々を殺してきた。戦争と差別、排外主義をなくし、みなさんと一緒に日本社会を変えていきたい」と語った。
小池晃書記長は、「朝鮮人虐殺の歴史にどう向き合うか、これは決して過去の問題ではない。いま日本が直面すべき問題だ」とし、「日本政府は事実と責任を認め謝罪し、真相の究明と解明、賠償を行わなければならない」と語った。
追悼会では、神奈川中高・中級部1年生が「故郷の春」を合唱し、舞踊家・曺和仙さんによる追悼舞が披露された。
追悼会は、参加者全員で「アリラン」を合唱して終わった。
(尹佳蓮)