朝鮮学校支援の輪を広げよう/京都第2初級創立60周年「声よ集まれ」上映会
2025年08月19日 10:54 社会 民族教育380人来場、日本人も多数

京都第2初級創立60周年記念チャリティー映画「声よ集まれ」が行われた。
京都第2初級創立60周年記念チャリティー映画「声よ集まれ」上映会が7月26日、同志社大学寒梅館ハーディーホールで行われた。午前と午後の2部制で、関係者を含め380人が参加した。
上映会の目的は、①京都第2初級学校が創立60周年を機に進める校舎改修の財政支援、②朝鮮学校卒業生をはじめ京都同胞に民族教育の重要性を認識する機会とする、③幅広い日本の方々に朝鮮学校の置かれている現状を知ってもらい、朝鮮学校支援の輪を広げていく機会とすることであった。
主催は同志社コリア研究センターで、「朝鮮学校への『高校無償化』『幼保無償化』適用を求める火曜アクションin京都」、朝鮮学校オモニ会京都府連絡会、朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋(こっぽんおり)が携わった。
映画上映に先立ち、特別演目として京都中高の声楽部が重唱「속삭여주렴아」を披露、透き通る歌声が観客たちの胸を打った。続いて京都朝鮮歌舞団、創作舞踊solo「아리랑-アリラン-」、重唱「声よ集まれ、歌となれ」の力強い歌声が会場に響き渡った。
映画上映後には、朝青右京支部、西南支部の役員が司会を務め朴英二監督によるアフタートークが行われた。トーク後、質疑応答が行われ、「なぜ、主に滋賀初級をメインとした映画を撮ろうと思ったのか」などさまざまな質問が飛び交った。
この後、共催団体である朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋(こっぽんおり)の共同代表、佐藤大さんから2つのアピールが行われた。
佐藤さんは、「朝鮮学校の子どもたちが可愛いから支援している訳でもなく、勝手に応援している。それはやはり、朝鮮学校があることによって、日本の植民地支配により奪われた自分のルーツを学び直す、知り直すことが朝鮮学校でないとできないから。その環境を日本社会が保障しないといけないということが根底にある。これからも一緒に歩み続けたい」と述べた。

朝鮮学校への理解と支援を呼びかけた
当日、多数の日本の方が来場した。前日に地元の京都新聞に上映会の紹介記事が掲載され、これを見て足を運んでくれた方が多かった。
感想文の一部を紹介する。
「最近ヘイトスピーチが広がり、とても暗い気持ちになっていました。自分は日本人ですがこんな社会で良いと思えません。そんな時にこの映画の上映があるのを知りました。何とか差別のない社会を作る小さな力かもしれないけれど、自分自身の理解を深めたいと思いました。そんな私の気持ちにぴったりの映画でした。」
「知らなかったことを知れて良い機会になりました。日本人の方でいろいろな支援活動をされている人たちがいることも知りませんでした。日本社会が少しでも良くなるように差別のない社会になれば良いと思います」
「改めて『差別』の一端を知り、日本人としてショックです。そんな境遇の中でも学校の雰囲気が日本の学校と違いやわらかく、あたたかい! 子どもたちが大事にされていますね。外国に移住し暮らしている日本人移住者が、その国でこんな『差別』をされていたら、どう思うか、『差別』する人たちに問いたいです」
共催団体の朝鮮学校オモニ会京都府連絡会は、女性同盟京都府本部と京都府内3校のオモニ会が携わっている。年始めから、府内の分会では園児・児童募集活動を繰り広げていく上で起爆剤にしようと、分会長を中心にドキュメンタリー映画の宣伝、お誘い活動を地道に行った。京都第2初級オモニ会では、アボジも巻き込んで映画宣伝に力を注いだ。
今後、ドキュメンタリー映画に込められた思いを広げ、大きな輪、いつしか朝・日国交正常化までたどり着けるように、草の根運動を繰り広げていく決心だ。
【女性同盟京都】