〈留学同80周年特別対談〉夏の中央行事「マダン」への想い/過去委員長・趙誠婀×今年委員長・許翔太
2025年07月28日 09:12 総聯在日本朝鮮留学生同盟(以下、留学同)は今年9月に結成80周年を迎える。これに際して留学同中央は、留学同活動の現住所や今後のあり方を探るため現役学生や卒業生の対談を企画した。今回2回目の対談のテーマは「マダン」。【留学同中央】

許翔太さん(左)と趙誠婀さん
趙誠婀:滋賀県出身、2011年大谷大学入学。4年生時に「マダン」の実行委員長を務める。現在民族学級講師、NPO法人京都コリアン生活センター エルファ職員。
許翔太:愛知県出身、大阪電気通信大学4年生。留学同大阪国際部長を務める。今年8月9~11日開催の「在日コリアン学生キャンプ2025マダンnote」共同実行委員長の一人。
マダンとは?
留学同の年間運動の中でも最も大きな夏の中央行事。その源流は1981年、それまで別々に行われていた「夏の短期講習」と「サマーキャンプ」を一つに統合し開催した「サマーセミナー」だ。7泊8日という長丁場で、毎日講義があり、合間にキャンプの要素が散りばめられていた。1991年、さらに多くの同胞学生が集う行事にしようということで、文化、体育を前面に押し出した「フェスティバル」という形で行われ、名称は初めて「マダン」が使われた。現在は各地から毎年200人前後の同胞学生が集まり民族、体育、学習企画など様々な企画が用意された3日間を共に過ごすことで、自身のアイデンティティやこれからの生き方について考えるきっかけとなっている。
ルーツを大切に楽しい3日間を
-マダンの思い出は?
趙:実行委員長の話がいつ誰から来たかは正直覚えていないけど、確実に一度断ったと思います(笑)。人前で話すのがあまり得意ではなかったので。それでも承諾したのはやっぱり「マダン」に対する想いが強かったからかな。
ずっと日本学校に通っていた私が初めてマダンに参加した時、こんなにも多くの同世代の朝鮮人がいるんだと衝撃を受けた。見渡す限り全員チョソンサラムという環境が嬉しすぎて会う学生全員に、トイレの中でだって、誰かれ構わず「アンニョンハシムニカ」と言っていました(笑)。
また、班別の討論も印象に残っています。私はそれまで名乗っていた「趙せいあ」と民族名の「趙ソンア」をまだ場面場面で使い分けていました。そんな時に班討論では「名前」がテーマに。先輩たちは次から次へと意見を言い合ってどんどん白熱していき、班討論が終わってもそのまま誰かを捕まえて朝まで話し込んでいましたね。そんな姿が自身のアイデンティティを考えるきっかけ、「趙ソンア」として生きていくきっかけになりましたね。

2014年のマダン(右から3番目が趙誠婀さん)
-今年の準備状況は?
許:やばいです…。企画を一つ一つ形にしていっている段階なんですが…。
自分が担当しているのは主に運動企画や交流企画で、キャンプファイヤーや謎解き脱出ゲーム、深夜のラジオ企画など今までにない「僕の考えた最高の企画」を目指す一方、やっぱり楽しいだけで終わってほしくないとうか。