『原爆棄民―韓国・朝鮮人被爆者の証言（増補改訂版）』／伊藤孝司著

訪朝取材の新たな内容を収録

フォトジャーナリストの伊藤孝司さんによる『原爆棄民―韓国・朝鮮人被爆者の証言（増補改訂版）』（論創社）が刊行された。本書は、韓国・在日朝鮮人被爆者の証言を収録した１９８７年出版の『原爆棄民』（ほるぷ出版）に、韓国での新たな取材と在朝被爆者に対する取材の内容が加えられたものだ。総勢１４６人の証言が収録されている。

著者は、アジア太平洋の国々で約２００回、そのうち韓国で47回、朝鮮で43回にわたり日本の植民地支配や侵略によって被害を受けた人びとへの取材を実施。その活動の根底には、歴史と向き合うことでアジア太平洋の人びととの信頼関係を築き、日本が再び加害者にならないためにとの思いがある。