民族芸術の優越性を誇示/文芸同WEBコンテスト入賞者記念コンサート2025
2025年07月16日 09:00 文化

文芸同WEBコンテスト入賞者記念コンサート2025が行われた
文芸同WEBコンテスト入賞者記念コンサート2025(主催=実行委員会)が7月6日に国立オリンピック記念青少年センターにて行われ、過去のコンテストで入賞した個人と団体、伴奏者を含め38人が出演し、17演目が披露された。会場には172人の観客が訪れた。
セセデ発掘、育成の契機に
文芸同中央は2020年から、新型コロナウイルスが猛威を振るうなかでも同胞たちが朝鮮の音楽や文化芸術に触れ親しむために、芸術愛好家、同胞、児童、生徒、学生たちを対象に独唱、独奏、重唱部門別にWEBコンテストを行ってきた。計1117人、55団体が参加。
今回のコンサートは過去5回行われたコンテストの集大成として、民族芸術の優越性を誇示し、またセセデ(新世代)たちの発掘、育成に尽力することを目的として行われた。
第1部は児童独唱「梅峰山の歌」で始まり、ホルン独奏「哨所の喜び」、女声独唱「リョンガンキナリと打令」、民族器楽2重奏「報恩の歌」など9演目が披露された。
第2部では男声独唱「祖国を輝かさん」、ピアノ独奏「トンドルラリ」、など8演目が披露され、女声重唱「春の歌」がトリを飾った。

ピアノ独奏「トンドルラリ」(金紗永)
参加者たちは日ごろの練習成果を思い思いの歌と演奏で遺憾なく発揮し、会場からは終始大きな拍手が送られた。
公演全般を振り返り、文芸同中央の尹忠新委員長(実行委員長)は参加してくれた方たちへ感謝の意を示しながら、「これからも文芸同では同胞たちが朝鮮の芸術を楽しみ、同胞たちの民族性を育む場を作っていきたい。また2025年度WEBコンテストにもたくさんの方たちが参加してくれたら」と目を細めた。
出演者たちの声

児童独唱「花ひらくその日まで」(権知恩、尼崎初中)
兵庫県から駆けつけ舞台に立った権知恩さん(初4、尼崎初中)は、去年のWEBコンテストの低学年独唱部門で1位に輝いた曲を大きな舞台でも歌いたいと思い、コンサート出場を決めた。普段から朝鮮の歌を歌うのが大好きだという知恩さん。「聞く人たちが笑顔になれるような歌を歌えるように、これからも練習を頑張りたい」と語った。母の成佳音さん(38)は「出番が来るまではとても緊張していたが、堂々と歌っていたので安心した。とてもいい経験になっただろう」と知恩さんを労った。
朝鮮大学校の金栄実さん(文学歴史学部2年)と金未蘭さん(外国語学部2年)はともに声楽部に所属している。自身が中3の時に入賞した際に歌った曲を披露した栄実さんは「今まで映像で見てきた入賞者たちの歌や演奏を直接聞けて学ぶことが多かった」と語った。過去3回の入賞経験がある未蘭さんは、同胞の文化芸術愛好家たちが集まるこの場で、自身の音楽に対する気持ちを表現したくコンテスト参加を決めた。二人は朝鮮の歌を通じて民族を知り、祖国を身近に感じることができるとし、「祖国と在日同胞をつなぐ架け橋となる歌をこれからも歌っていきたい」と決意を新たにした。

出演者たちに盛大な拍手が送られた。
重唱を披露した文芸同東海支部音楽部声楽組は今回入賞者コンテストが行われるという知らせを聞いて、迷わず出演を決めた。尹玉任さん(53、文芸同東海支部音楽部副部長兼声楽組責任者)は「新型コロナウイルスで公演や大会が軒並み中止となったなか、WEBコンテストは日ごろの練習成果を発揮する唯一の場だった」と振り返る。尹さんは「これから私たちの歌声で同胞たちに希望と勇気を与えてきたい」と語った。
(尹佳蓮)