〈朝鮮の国際情勢認識〉米国のMD構想に潜む攻撃性/中ロも反発、「戦略安定を損なう」
2025年06月15日 08:00 対外・国際昨今の国際関係で新冷戦の構図が深まる中、朝鮮は対外政策において自主的な立場を堅持している。激動する国際情勢を朝鮮はどのように捉えているのか。朝鮮外務省が発信する談話や関係者の見解、国内メディアの報道などを通じて探る。
朝鮮外務省の米国研究所は5月26日、米国が構築を進める新たなミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」構想をめぐり国際社会に向けた備忘録を発表した。同研究所は、この構想がいかなる防御的性格も持たず、戦略的敵国への先制攻撃に向けた体制づくりにほかならないと指摘している。
米国のトランプ米大統領は同20日ゴールデン・ドームの開発構想を正式に発表した。ゴールデン・ドームは、弾道・巡航ミサイルや極超音速兵器などから米本土を防御するとされるミサイル迎撃システムで、宇宙空間にまで軍事インフラを拡大しようとする構想だ。同研究所はこれを「米国が描く宇宙核戦争シナリオ」の一環と見ており、実際には米国の一極支配戦略を軍事的に下支えする侵略的性格を持つと批判している。