“民族的権利を認めるべき”/第4回都議会勉強会「若者の声を聴く」
2025年06月09日 13:00 社会
第4回都議会勉強会が行われた
第4回都議会勉強会「若者の声を聴く」が5日、東京都議会第1会議室で行われた。ここに朝鮮学校関係者たちをはじめとする同胞たち、12人の都議(共産、立憲、生活者ネット、グリーンな東京)をはじめ、区議、市議、朝鮮学校支援者などの日本市民153人が参加した。
都議会勉強会は、「こどもを誰一人取り残さない」とうたった都の「こども基本条例」(21年4月、全会一致で成立)に基づいて、都が2010年に凍結した補助金の再開を求める活動を続けてきた。今回は、若者の声を直接聞くことをテーマにした。このテーマは実行委が昨年11月末に朝鮮大学校を訪問し、第3回勉強会(同10月)に参加した学生たちから感想を聞いたことが背景にある。
最初に「都議会勉強会」実行委事務局の猪俣京子さんが活動報告を行った。猪俣さんは22年に発足した経緯について言及しながら、この間に勉強会、地域学習会、署名活動、都への要請を行ってきたと紹介。そして「子どもの権利の対象には若者も含まれる。今回の勉強会で発せられる声にしっかり耳を傾けてほしい」と強調した。
第1部のシンポジウムには、朝鮮大学校の学生、東京中高の生徒、日本人学生、社会人の8人の「若者」が登壇。在日朝鮮人の登壇者らは、差別が蔓延する日本社会の実情を自身の体験を基に語り、切実な思いを語った。日本人の登壇者らは、在日朝鮮人の権利が侵害されていることを知ったきっかけを話しながら、この問題が、日本の植民地支配の延長線上にあること、補助金再開は教育の権利とともに在日朝鮮人の民族的権利を認めることだと語気を強めた。
第2部ではシンポジウムに登壇した若者に加えて4人の都議がマイクを握った。感想を述べた都議らは「社会の問題を政治で変えていかなければならない」「民族教育の権利を保障するために、現在の条例をさらに発展させていく」と語った。都議の発言を受けて若者も発言し、朝大生のひとりは「私たちの思いが届いたなら、行動に移してほしい」と話した。
第3部ではまず、都議会の「外国人学校について考える勉強会」座長である大松あきら都議(公明)からのメッセージが紹介された。つづいて、日朝友好促進三多摩議員連絡会の稲津憲護代表(府中市議)、東京中高の尹太吉校長、朝鮮学校「無償化」排除に反対する会の長谷川和男共同代表が発言した。
最後に「サイレントアクション」として、参加者らが感想を書いた紙を掲げて、全体写真を撮影した。
実行委事務局の上村和子さん(国立市議)が閉会のあいさつをした。上村市議は、シンポジウムに登壇した若者たちは「お金の問題ではない。あたりまえの権利が奪われていることが問題なのだ」と指摘したとし、これは「あたりまえの権利が侵害されているという重大な告発である」と強調。「若者の声をしっかり胸に刻み、都議らには民族教育権の保障など施策に反映してほしい」と述べた。