〈特集・私が見た在日朝鮮人社会〉朝大ボクシング部コーチ/飯田幸司さん
2013年07月18日 16:12 スポーツ「愛と情にあふれた在日社会を伝えたい」
飯田幸司さん(34)は2011年末から、朝鮮大学校ボクシング部のコーチを務めている。製造業に勤める傍ら、週1回の練習や試合に足を運ぶ。学生たちの信望も厚い。
高校生のとき、朝鮮半島の史実を伝える南朝鮮の独立記念館を訪れ、日本による朝鮮への侵略や朝鮮戦争についても知った。博物館のパネル展示で印象深かったのが、チョゴリ姿の朝鮮人が十字架に貼り付けられ、その前にライフル銃を構えた日本人が立っていたもの。それはまさに射殺する直前を描いたシーンだった。涙と共に日本人として申し訳ない気持ちが込み上げた。
「日本の教科書にただの一行も掲載されていないような内容」に衝撃を受け、「知らないじゃ済まされない」と思った。その日の晩、パネルを見た衝撃と似たようなシーンが夢に出てきた。朝鮮半島の統一についても深く考えるようになり、日本人として手伝わねばと思った。