子どもと保護者が交流深める/埼玉オリニーランド2025
2025年05月26日 11:55 民族教育
「埼玉オリニーランド2025」が行われた。
「埼玉オリニーランド2025」(主催=埼玉県青商会)が18日に埼玉初中で行われ、学齢前の子ども104人を含む300人が参加した。
埼玉オリニーランドは、子どもたちに夢と希望を与えるために、埼玉県青商会と女性同盟埼玉が一丸となって取り組み始めた一大イベント。子どもが楽しむのはもちろん、保護者たちが幅広く交流できる場として、またウリハッキョ、ウリ幼稚班への入学・入園を考えるきっかけになればと、2015年に始まった。
行事を迎えるにあたり実行委員会はこれまで4回にわたって協議を重ねた。とくに今年は青商会と女性同盟が連携し、CMやチラシ作成、各家庭への連絡、確認など計画的に参加を呼びかけた。また遠方に住んでいて学校に来る機会が少ない保護者のために女性同盟が母親どうしの交流を深めようとカフェも企画した。
県青商会幹事長の林虎範さん(38)は「埼玉県に住む在日同胞とその子どもたちが一堂に会する場にするために、遠方に住んでいる同胞にも『この日だけでも』という思いで呼びかけを行っている」と語った。
各所で笑顔弾ける

オープニングでは年長園児が舞踊を披露した。
行事は同校附属幼稚班チンダルレ班(年長)園児による舞踊で幕を開けた。
開幕が宣言されると、子どもたちは各企画が行われているブースに向かってまっしぐらに走り出した。「ぬりえ」や「ロケット飛ばし」「バルーンアート」など子ども向け企画はもちろん、保護者を対象にした「ハンドマッサージ」など様々な企画が用意された。また売店では青商会が焼きそばやポップコーン、チュモッパプ(朝鮮風おにぎり)、オモニ会では飲み物を販売した。教室や運動場、体育館からは終始参加者たちの笑い声が響いた。

朝大教育学部、理工学部学生も行事に参加した。
「巨大シャボン玉」や「ブーメラン作り」など朝大生による企画も行われた。理工学部1年の金世鎮さんは同校卒業生だ。子どもたちが楽しむ姿を見ながら「『オリニランド』の思い出がどんな形でも子どもたちの心の中に残ってくれたらうれしい」と笑顔を見せた。
体育館で行われた「わなげ」、「スーパーボールすくい」は企画から運営まですべて本校中3生徒が担った。尹明媛さん(中3)は準備期間を「青商会の方たちの『オリニーランド』に対する熱意、そして同胞社会の暖かさを強く感じた」と振り返り「自分たちが考えた企画で子どもたちが楽しんでくれたことが何よりもうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

中3生徒が企画した「わなげ」コーナー
午後には、メインイベントである朝大教育学部保育科学生による公演も行われた。終盤には子どもたちも朝大生と一緒に歌とダンスを披露し会場は大盛況となった。成愛里さん(2年)は「子どもたちが楽しんでもらうのはもちろん、保護者たちにウリ幼稚班の良さを感じてもらえるような公演を披露しようと練習に励んだ。子どもとその保護者にも信頼されるウリ幼稚班教員を目指しこれからも様々な活動に取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
フィナーレでは「お菓子の家」が登場し子どもたちからは大歓声が起こった。
高優蓮さん(31)は息子の裵在紳さん(4)が楽しんでいる姿を見て「年齢別に楽しめる遊びが用意されているのが嬉しい。また朝大生が一緒に遊んでくれたのがとてもありがたかった。とてもいい思い出になっただろう」と笑みをこぼした。
大原未来さん(36)は女性同盟が企画したカフェに参加して「初めは場に馴染めるか不安だったが、日本語交じりで会話を振ってくれて同世代の子を持つオモニたちとすぐ打ち解けられた。ドリンクやスイーツも手厚く準備されていて優雅なひと時を過ごすことができた」と語った。

行事を楽しむ子どもたちの様子
行事全般を振り返り同校鄭勇銖校長は「青商会や女性同盟、朝大生含め多くの方たちのおかげで今年の『オリニーランド』も大成功で終えることができた。これからも民族教育の拠点として同胞たちの心の拠り所となり、より多くの同胞たちが集まる学校に築いていきたい」と語った。
実行委員長の盧琴順さん(埼玉県青商会副会長、生活文化部長)は「恒例となっている幼稚班の年長組のオープニング公演は今日も圧巻で、幼稚班の絶好のアピールの場にもなった。朝大生の企画、公演も民族教育の素晴らしさ、ウリハッキョの魅力を存分に発信できた。これからも一人でも多くの方に埼玉ハッキョをアピールしていけたら」と語った。
(尹佳蓮)
- 「埼玉オリニランド2025」が行われた。
- オープニングでは年長園児が舞踊を披露した。