〈在日発、地球行・第4弾 11〉文明の十字路に刻まれた分断/シリア
2025年04月11日 08:00 在日発、地球行過去の連載記事はこちらから▶︎ 在日発、地球行・▶︎〈第1弾〉、 ▶︎〈第2弾〉、▶︎〈第3弾〉
正式名称:シリア・アラブ共和国。首都:ダマスカス。人口:約2350万人(2023年時点)。面積:約18.5万㎢(朝鮮の約1.5倍)。言語:アラビア語。民族:アラブ人約75%、クルド人約10%、アルメニア人等その他約15%。渡航方法:シリア旅行はツアー参加でのみ可能。渡航前に現地の旅行会社に連絡し、事前に国境警備許可番号を取得する必要あり。朝鮮籍の筆者はヨルダンから陸路で国境越え、国境でビザ取得(24年8月時点)。
「『内戦』じゃない、『代理戦争』だ」
戦禍にさらされた北部アレッポへ向かう道中、土嚢を積み上げた防御壁が築かれていた。弾除け用のそれは数キロ先まで延々と続いている。前日にダマスカスでガイドから聞いた言葉が脳裏をよぎる。「ここで起きているのは『内戦』じゃない。西側によって仕組まれた『代理戦争』だ」。遠方に広がる廃墟群が、その言葉に現実の重みを与えていた。
アラブの春(2011年)に端を発したこの戦争は、国際勢力の利益が交錯する代理戦争の様相を呈している。反政府勢力の背後では、中東覇権やシリアの石油利権をめぐり米国やその同盟国(トルコ、サウジアラビア、イスラエル、ヨルダンなど)が政権転覆を画策。一方、アサド政権はロシア、イラン、シーア派民兵組織ヒズボラなどと連携し、抵抗を続けてきた。
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