公式アカウント

歴史解明と過去清算誓う/東京大空襲80年朝鮮人犠牲者追悼会

2025年03月06日 13:00 歴史

「東京大空襲80年 第19回朝鮮人犠牲者追悼会」が行われた

「東京大空襲80年 第19回朝鮮人犠牲者追悼会」(主催=東京大空襲朝鮮人犠牲者を追悼する会)が1日、東京の国平寺で行われ、総聯中央の任京河権利福祉局長、総聯東京都本部の高徳羽委員長、東京朝鮮人強制連行真相調査団(以下、東京調査団)の西澤清代表など、同胞と日本市民ら100人が参列した。

1万人が犠牲に

追悼会に100人が参列した

1945年3月10日、米軍は279機の爆撃機B29を出動し、本所区(墨田区)や深川区・城東区(江東区)、浅草区(台東区)など、軍関連企業や軍需工業が集中する下町を中心に焼夷弾33万発(1665t)を投下。約10万人が犠牲となったこの空襲で、植民地支配による強制連行などで渡日していた朝鮮人1万人以上が亡くなったとされている。一方で空襲後、日本政府や関連企業による朝鮮人犠牲者の遺骨返還などの然るべき清算はおろか、当時の実態解明すら行われておらず、今年で80年が経過した。

東京調査団が主管したこの日の追悼式は、空襲の犠牲となった朝鮮人たちに追悼を捧げるとともに、当時から80年が経った今年、「アメリカの戦争責任」と「日本の植民地支配犯罪」、そして戦争を発起、拡大し、多数の人々を犠牲にした「昭和天皇の戦争責任」を改めて強く追及していくことを目的に行われた。

空襲の「犯罪者」と闘おう

参列者が献花を行った

開会後、犠牲者へ黙とうが捧げられた。その後、国平寺の尹碧巖住職が読経をした。

東京調査団の佐藤正夫さん、小野寺えり子さん、朝鮮大学校と留学同東京地方本部の2人の学生が司会者を務め、東京大空襲の詳細や朝鮮人が犠牲者となった経緯などについて「語り口調」で説明した。会場内にプロジェクターとスクリーンが設置され、当時の空襲で火難に見舞われる東京の写真などが映された。

7歳の時に空襲にあった朴基碩さんの体験談や、東京調査団元事務局長の故・李一満さんの論文『東京大空襲と朝鮮人犠牲者』が紹介された。

朝鮮の朝鮮人強制連行被害者・遺族協会が追悼会に寄せた追悼文が代読された。同協会は「米軍の大空襲による朝鮮人犠牲者問題は、旧日本による侵略政策の産物である」とし、「日本の反人倫的な過去犯罪によって筆舌に尽くしがたい精神的肉体的苦痛と被害に遭われた全ての朝鮮人犠牲者の痛みを忘れず、かれ・かのじょたちの恨を晴らすため最後まで共に努力する」と表明した。

4人の司会者がスクリーンの関連写真と一緒に東京大空襲の概要などを説明した

また、大阪空襲75年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会から送られたメッセージが代読された。

立憲民主党の有田芳生衆議院議員と同党世田谷区議会議員であり日朝友好促進東京議員連絡会の羽田圭二共同代表があいさつをした。2人は犠牲者たちに追悼を捧げ、「日本が行った過去の戦争における侵略支配、植民支配下で繰り広げた過ちと歴史的事実に立ち戻る必要がある」「世代や人種をこえ、多くの人が暮らしやすい社会を作っていく」などと話した。

朝青東京都本部と留学同東京地方本部の連名メッセージを、朝青東京台東支部の朴唯華組織部長が朗読した。メッセージは「今を生きる私たちが、先代たちが経験した植民地支配の痛みを継承し、日本政府へ過去清算を訴えることは、朝鮮民族の尊厳を取り戻すことに繋がる」とし、在日同胞の若い世代を牽引し、同胞青年コミュニティを発展させ、同胞たちの権利獲得、生活的利益をもたらすべく活動を展開していくと誓った。

朝大民族楽器グループ「ソル(松)」による追悼曲演奏

西澤清代表が東京調査団を代表しお礼と決意を述べた。西澤代表は「植民地支配により故郷を奪われ、大空襲に遭った朝鮮人犠牲者に、歴史の解明と平和を守ることを誓い、今後も犠牲者の故郷を奪い戦争をもたらした『犯罪者』と闘おう」と語った。

式の終わりに、朝大民族楽器グループ「ソル(松)」が追悼曲を演奏した。参列者たちは、犠牲者に捧げる献花を行った。

(朴忠信)

Facebook にシェア
LINEで送る