米国の新たなMDシステム構築を非難/朝鮮外務省軍縮・平和研究所が公報文
2025年02月06日 11:00 対外・国際朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省軍縮・平和研究所は2日、米国の新たなミサイル防衛システム構築計画を非難する公報文を発表した。
米国のトランプ大統領は就任前日の1月19日、大統領就任後にイスラエル軍と同じ名称のミサイル防衛システム(MDシステム)「アイアンドーム」の建設に着手するよう軍に指示すると述べたほか、27日には、「米国版アイアンドーム」の構築のための大統領令に署名した。このMDシステムは、弾道ミサイル、極超音速ミサイル、巡航ミサイルなどの攻撃に対応する。
公報文は、「米国の新たなMDシステム計画は、上昇段階にある各種のミサイルを探知および迎撃可能な次世代ミサイル防衛ネットと宇宙基盤ミサイル迎撃システムの開発と配備に拍車をかけ、同盟国との共謀・結託の下で地域MDシステムをいっそう強化しようとする侵略的目標を掲げている」と指摘。「冷戦時代に米国が持ち出した危険極まりない『スター・ウォーズ』計画の亡霊を呼び寄せる新たなMDシステム構想は、その実現可能性いかんはさておき、敵国の『脅威』に対処するという口実の下で軍備増強を正当化するところに危険性がある」と非難した。
公報文は、米国が1980年代には旧ソ連の核脅威に対処するという名目の下で「戦略防衛構想(SDI)」を考案し、2002年には迎撃ミサイル制限条約から一方的に脱退し、朝鮮をはじめとする自主的な主権国家を標的としたMDシステムの構築に狂奔し、その後も、欧州とアジア太平洋地域に各種形態のMDシステムを前進配備したことに言及した。
そのうえで、「現米行政府のMDシステム近代化企図もやはり、敵国の報復攻撃に対して憂慮せず、相手に対する先制的な核攻撃に何の心配もなく移行できる条件を完備し、全人類の共同の富である宇宙空間を戦場化、軍事化して全地球的範囲で米国の軍事的覇権を実現しようとするところに、その真の目的がある」と強調した。
公報文は、「日本をはじめとする同盟国と推し進めている極超音速迎撃ミサイルの開発を加速させ、韓国をはじめとする複数の地域に高高度ミサイル防衛システム『THAAD』のような先端軍事装備をより多く配備しようとする米国の策動がいっそうひどくなることは火を見るより明らかであり、これは必ず地域諸国の安全上の憂慮を刺激するようになる」と指摘した。
そして、「より厳酷になる世界的な安保環境はわれわれをして、日ごとに増大する米国の軍事的覇権企図に対処して国家の安全権と発展権を頼もしく守られる核抑止力を中枢とする自衛的国防力を絶え間なく発展させていくことを切実に求めている」とし、「朝鮮は今後も、敵対勢力の増大する軍事的脅威に限界を知らない軍事力の強化で応え、強力な自衛的力に依拠して世界の平和を守り、より安定した地域安保環境を構築していく」と強調した。
(朝鮮新報)