民族文化フェスタ「ウリ」2024/留学同が主催
2025年01月21日 13:43 暮らし・活動同胞学生に民族のアイデンティティを
日本学校出身の朝鮮半島にルーツを持つ大学生・専門学生を対象にした全国行事「民族文化フェスタ『ウリ』2024」が昨年12月14、15日の2日間開催された。留学同が主催する同行事は、民族教育を受けたことのない学生を対象に、普段触れることが難しい民族文化を学び楽しむことで、朝鮮人としての肯定的なアイデンティティを育むことを目的に2年前から始まった。3回目となる今回は、東西に分かれての初開催となった。
探し出す、その先へ
留学同では近年、日本学校出身の同胞学生を探し出す活動を積極的に行っている。2022年度後期には90人を超える学生を、2023年度には年間200人を、昨年度も11月時点で200人を探し出すなど、活動は大きな成果を上げている。
しかし、そのような日本学校出身生の中には在日朝鮮人としての自分を肯定的に捉えられない状況で育った学生も少なくない。留学同ではそんな学生たちに日頃から会いに行き、学習やさまざまな行事を通して、かれらの悩みや葛藤に耳を傾け、解消することを目指してきた。今回の行事も、そうした問題意識のもとで準備された。
実行委員の一人である安成美さん(留学同東海・3年)は、自身も日本学校出身だ。「何かきっかけがなければ留学同に出会わなかったかもしれない」という対象学生たちの話を聞くたびに、今の自分にできることをしたいと強く思っていたと語る。実行委員として行事に携わりながら、「民族文化フェスタという名前の通り、楽しくたくさんの民族文化に触れ合うことができて嬉しかった」と頬を緩めた。
民族を知る契機に
東日本の行事は、川崎初級と神奈川県内の施設で、西日本の行事は愛知中高で行われた。期間中は、朝鮮語の学習や舞踊体験、民俗遊びや朝鮮料理作りなど、2日間を通してさまざまな企画が行われた。
大阪から参加した朴桃歌さんは、今年の夏に父親から朝鮮半島にルーツがあると教えられたばかりで、行事には大学で一緒だった留学同のメンバーに誘われ参加した。朴さんは「今までハングルや朝鮮文化についての知識が一切なかったが、取り組みやすい企画ばかりで楽しみながら学ぶことができた」と感想を語った。
東京から参加した李詩穂さんは「とくに朝鮮舞踊体験が印象に残っている」という。「先生から上手にできなくても楽しむことが大切と励まされ、リラックスして取り組むことができた」と喜んだ。
決意新たに
実行委員を務めた鄭麻伊さん(留学同西東京・4年)は、行事を振り返り、「朝鮮語学習の後、参加者たちが自ら教科書を覗きながら感想を言い合う姿が印象に残っている」と語った。今回の行事が日本学校出身生にとって、今後も民族について考えるきっかけになってくれればと期待する鄭さんは「一人でも多くの在日同胞学生を探し出し、民族の輪を広げられるように頑張りたい」と決意を新たにした。
【留学同中央】