危機の根源探り、平和構築の課題を提示/国際シンポジウムの発言から
2024年11月07日 07:00 時事国際シンポジウム「『新冷戦』のなかの朝鮮半島情勢 – 平和と多極化時代に向けて」(2日、朝大)では、国際基督教大学の徐載晶教授、東洋学園大学の朱建栄客員教授、東京外国語大学の伊勢崎賢治名誉教授、朝大の李柄輝教授と廉文成准教授が報告した。発言の要旨を紹介する。
三重分断構造の解体を/徐載晶教授
「米国から見た新冷戦と朝鮮半島」と題して報告した徐載晶教授は、東アジアに形成された「戦後体制」は三つの分断が重なった構造として出現したと指摘。①米国主導の対共産圏封鎖政策とソ連主導の国際共産主義路線が対立する「冷戦の分断」、②植民地支配及び侵略の遺産とその清算をめぐる葛藤として具体化された「東アジアの分断」、③現代の民族国家形成プロジェクトが多様な形態として展開されている渦中に、未完の形態として残った「現代民族国家の分断」が互いに有機的に連関する一つの「三重分断構造」として、東アジア戦後秩序を構成したと述べた。