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『コッソンイ』日本語版ができました / 佐野通夫(東京純心大学・教授)

2024年10月28日 10:23 民族教育

この記事を目にされる朝鮮新報の読者にとって、「コッソンイ」はとても親しいものだと思います。在日朝鮮学生「コッソンイ」作文コンクールは、1978年に始まり、今年47回目を迎えます。毎年、冊子として刊行されています。ただ、市販されるものでなかったのと、朝鮮語の作文集であったので、多くの日本人の目には触れることの少ないものだったと思います。

定価1870円(税込)
花伝社
03・3263・3813

この「コッソンイ」を多くの人たちに広げたいと活動を始めたのは、韓国の「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」でした。2019年の「発刊にあたり」には次のように記されています。

「韓国社会の無視と日本政府の差別的待遇の中でも「朝鮮人」としての誇りを守っていく人々に最も必要なのは「私たちの関心」です。」

同会では「コッソンイ」の学生原稿をテーマ別に再構成し、19年に『コッソンイ―私たちは朝鮮学校の学生です』、20年に第2集、21年に第3集、23年に『コッソンイ第4集―私たちは屈しません』を出版しました。菊判より少し小さめの各集270ページから380ページのオールカラー、しかも作品の間のQRコードを読み取ると朝鮮学校で歌われている歌が聞こえるという工夫に満ちた書籍です。

日本でも『コッソンイ』を紹介したいと思い、23年10月の朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会の会議から継続して提案していましたが、具体案をまとめられないまま、24年4月を迎えました。この作文コンクールの事務局と審査に約30年間関わってきた金潤順さんから連絡をいただきました。そこには、既に日本の読者に届けたい50編を選択し、自分が翻訳を担当するという力強いメッセージが。話は急に現実化しました。懇意の出版社に相談したところ、これまで『朝鮮学校物語』を刊行してもらった花伝社にお願いするのが良いのではないかというアドバイスを受け、7月に花伝社にお話し、さらには、当初10月に映画「声よ集まれ」(朴英二監督)の試写が始まるという予定で(11月16日午後2時半、武蔵野公会堂になりました)、かなり急いだスケジュールで出版準備が始まり、10月8日に納本されました。この映画は、上記『コッソンイ第4集』のインタビューをもとに作られたものです。各地の上映会場での日本語版『コッソンイ』の販売にご協力をお願いします。また、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会では、すべての朝鮮学校に本書を贈呈する準備を進めています。

1人でも多くの方が手に取って朝鮮学校の子どもたちの思いを知ってもらえたらと思います。ご購入いただくだけでなく、地域の図書館にもリクエストしてください。朝鮮学校の子どもたちが書いた文章は、学生たちと在日朝鮮人社会に対する認識の出発点になります。差別の痛みには涙が出ますし、級友同士の思いには心が温まります。そしてなにより朝鮮人としての誇りが読み取れます。

ご注文は『コッソンイ』日本語版編集委員会(soriyomoyora@gmail.com)へ。

(朝鮮新報)

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