〈学生中央体育大会2024・高級部バレー〉10連覇阻み悲願のV/東京・男子
2024年09月26日 21:14 民族教育 スポーツ2024年度在日朝鮮学生中央体育大会の高級部バレー競技が9月25~26日、東京朝鮮文化会館で行われた。
男子部門に東京中高と大阪中高が、女子部門には東京中高、大阪中高、神戸朝高が出場。男子部門では東京が大阪を下し、悲願の優勝を勝ち取った。一方の、女子部門では、大阪が4年ぶりの王座に返り咲いた。
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男子部門では大阪中高が2015年から大会9連覇を遂げ、今大会は同校にとって10連覇の大台がかかった大会となった。一方、代々「打倒大阪」を掲げる東京も、厳しい練習をこなし、5月の選手権大会では大阪に勝利。学生中央体育大会での長年の雪辱を晴らすべくコートに立った。
今大会の男子部門は、大会期間の2試合を通した合計得点数で勝敗を決める方式がとられ、初日目は25-23、19-25、25-20で大阪が計69点、東京が計68点の結果に。大阪の10連覇が現実味を帯びた。
2日目の競技も両者の意地がぶつかり合う激しい攻防戦が繰り広げられた。
第1セットは序盤から東京がリードを広げた。大阪も粘り強く健闘するも東京が25-18で先取した。続く第2セットは両者譲らぬシーソーゲームとなった。東京は強烈なスパイクと素早いAクイックなどを駆使しながら、デュースを制し、27-25で辛くも勝利した。
大阪の連勝記録を止め、宿願を果たした東京の高昇起主将(3年)は「声を積極的に出していき、自分たちの雰囲気を作ることができた。また、数多くの練習試合を通して『試合慣れ』をし、大阪との経験値の差を埋めることができた」と振り返りながら、「特にOBの先輩たちは毎週日曜日に技術指導に来てくれた。ハードな練習の成果が結果に繋がって嬉しいし、先輩たちに恩返しすることができた」と語った。
一方、チーム内唯一の高2として後輩たちを率いた大阪の池創徳主将は「相手のサーブやスパイクに対するレシーブを上手く上げられなかったのが課題だ」とし、来年に向けて「勝利への気持ちを常に絶やさずに練習に励んでいきたい」と前を向いた。
4年越しの嬉し涙/大阪・女子
女子部門では初日の予選リーグで大阪中高が大会3連覇中の神戸朝高を2-0(27-25、25-14)で抑え、予選1位で通過した。
2日目の準決勝では予選2位の神戸と3位の東京中高が対戦。神戸が両サイドから巧みなスパイクを仕掛け、2-0(25-19、25-15)で勝利し、決勝へと駒を進めた。
神戸が3連覇を遂げた昨年の決勝戦で、大阪は1セットを先取するも巻き返され、悔し涙を飲んだ。
リベンジに燃える大阪と、王座を守りたい神戸による決勝戦。第1セット序盤は大阪が主導権を握った。神戸は大阪の強打に苦しみながらも、ボールを繋いで13-13の同点に追いついた。しかし、大阪が4点連続得点をあげるなど相手にリードを許すことなく25-21で神戸の猛追を振り切った。2セット目、両校はネット際でさらに火花を散らした。一向に点数差が開かぬまま、スコアは20点台目前に。その直後、神戸が21-19で2点差をつけると、大阪は、すかさずタイムアウトを取った。その後、大阪はビハインドを取り戻して逆転。最後はサービスエースが決め、25-22で大阪が王座に返り咲き、4年越しの嬉し涙を流した。
大阪の洪美來主将(高3)は「今までの悔しさ、先輩たちの思いを背負って試合に臨んだ。この3年間、バレーに青春を捧げた分、自信はあった」としながら「どんな時でも互いに支えあったチームメイト、厳しく指導してくれた監督のおかげで雪辱を晴らせた」と語った。
優秀選手賞を受賞した金美輝選手(大阪、高3)は和歌山初中出身。初級部の頃はバレーに打ち込んだが、中級部にバレー部がなく、3年間のブランクを抱えて高級部バレー部に入部した。金選手は「入部当初は技術の差を感じたが、ブランクを言い訳にしたくなかった」と言う。「みなの力がなければ今日の勝利はなかった。技術向上のためにサポートしてくれた先輩たちや同級生たちへの感謝の気持ちでいっぱいだ」(金選手)
(高晟州)