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〈学美の世界67〉本質を捉える力強い表現/金潤実

2024年09月16日 09:00 寄稿

時に良い作品とは、見る者の立場によって多様な見え方が許される。それは「どう見ても見る人の自由」というような放り出されることではなく、作品そのものが解釈の重層さを含み、鑑賞者にその門戸を開いているからこそ可能になる。

それには作者たちの、人や社会の本質を捉えようとする向き合いがあるからのように思えてならない。社会とは、人そのものであり、私であり、過去であり、現在である。そうした関係しあう連続性が、様々な表現として立ち現れる。本質を捉えようと実感のこもった表現は、他にない強さをもつ。だから鑑賞者は、そのような作品たちから、大事なモノを受け取ることがある。

作品①「ある日の真実が永遠の真実ではない」。第46回学美優秀賞、東大阪中級(当時)中2 金志星

土埃が舞うような画面の中、傷んだ手を救い上げるもう1つの手。それは誰の手だろうか。

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