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ロボコン体験会、児童たちの可能性を応援/京都、東京、北海道で同時開催

2024年08月27日 13:09 在日同胞 暮らし・活動

ロボコン体験会が今年も行われた。(写真は京都会場)

昨年の第1回に続いて今年もNKLaboが主催する「NKLabo夏のロボコン体験会2024」(協賛=在日本朝鮮京都府青商会有志一同、東京第5教育会理事会、北海道朝鮮初中高級学校卒業生一同)が10日、行われた。昨年のロボコン体験会は京都初級で行われたが、今年は北海道、東京、京都の3会場同時開催という新しい形式で行われた。京都では朴賢憲さん(46)を中心としたNKLaboメンバーらと金志成教員などの教職員、東京では朝大理工学部の李成基教授とITソジョの担当教員、北海道では李春秀さん(37、NKLabo代表)とNKLaboメンバーらと北海道初中高の教職員らがスタッフとして各会場に配置され、リモートで随時、連携を図りながら進められた。

今年は東京第5初中、京都初級、京都第2初級、北海道初中高に通う初級部1年生から6年生までの児童たち、同地域に住む在日同胞児童とその保護者など総勢67人が参加した。またロボコン体験会には朝鮮大学校理工学部の学生たちもスタッフとして参加し、ロボットを児童たちが作るためのキットの追加パーツは事前に李成基助教の指導のもと、理工学部の学生たちが作り、NKLaboに提供した。

北海道会場のメンバーたち

「ロボコン」とはチームあるいは個人でロボットを製作し、競いあう大会のこと。ロボコン体験会は「自ら考え、制作し、動かしてみる」という実践で、論理的思考やプログラミングに興味を持ってもらいたいという意図から昨年、企画された。李さんは「AIとロボットが発展し、ITによりそれがつながって暮らしの隅々まで広がる未来の『完全機械社会』を見すえて、その本丸であるロボットを自作できるようになる最初の取っ掛かり、学びの動機づけになればと思い、開催している」と意義を語る。

今年は▼体験会を通じて、子どもたちの可能性を応援する、▼プログラミングやロボット作りに興味を持つきっかけを作る、▼各地の同年代の児童たちとライバルであり開発者仲間となるきっかけを作る、▼小学生ロボコン大会に出場する機会を作る、▼朝鮮学校に通っていない児童たちと通っている児童たちの交流を促進する、▼朝鮮大学校との連携強化、また朝大との共同研究によるプログラミング教育の質を高めると同時に朝大生の社会実践活動の場を提供し母校との絆を深めるという6つの目的がおかれた。

実際にロボットを動かす東京第5初中の児童

体験会では、参加者たちが、事前に用意されたステージで試しに体験会のルール※通りにロボットを動かしてみるなどの練習を行った。また、ロボットを動かしてみた後に、よく動かない部分などがあれば各会場のスタッフに助けをもらいながら、ロボットの部品を自分たちで改良してみるなど、ロボット作りの楽しさを体験した。

練習を重ねた児童たちはまず地域予選を行い、決勝戦進出のための枠(京都3枠、北海道・東京1枠ずつ)を争った。続いて行われた決勝戦は、各会場の決勝進出者5人それぞれが高ポイントをたたき出し、接戦にもつれ込んだ。各会場の児童、保護者たちは手に汗握る決勝戦の空気に思わず歓声を高々とあげていた。結果、張潤樹さん(京都初級、初5)が32ポイントで優勝を果たした。

優勝した張潤樹さん(京都初級)

張さんは「昨年、参加した時は2位だったので今年は1位を獲れて嬉しい。去年よりコースが難しいと聞いていたのでワクワクした。自分で考えてロボットを動かせるのが楽しいし、ロボットを動かすためにはタイヤがいるとか、物を運ぶためにはアームがいるとかの問題を一つずつ解決して、ロボットを作っていくのが楽しかった。来年も今年の点数を超える最高得点をあげたい」と語った。

李代表は「リモートでの3会場同時開催を通じて子どもたちの連帯を強め、ロボコン体験に加え、地域予選や決勝戦という競技要素を強めたことで子どもたちの集中力が高まり、会場の一体感を出せたように思う。また朝大の学生たちをスタッフとして動員することでかれ、かのじょらに教育現場での実践活動を提供し、今後の研究のモチベーションに繋げられたのではないか」と手応えを語った。

(金盛国)

※ルール:ロボコン体験会でのルールは原則として2019年から日本各地の小学生を対象とした「小学生ロボコン」大会の公式ルールを基本としている。まずロボットを動かすステージはスタートゾーン、ランゾーン、ゴールゾーンと3つのゾーンに分けられており、ルールは2分の競技時間内に自作したロボットを実際に駆使してランゾーンにある消しゴムとえんぴつ(文房具)、アルミホイル、ボックスをゴールゾーンまで何個運んだかで、ポイント(得点)を競い合う。ボックス以外は1p、ボックスは5pとし、それを運んだ分の合計数がポイントとなる。またゴールゾーンに4個のアイテムを運んだうえで、ボックスの中に消しゴム、アルミホイル、えんぴつを入れれば、入れた分だけポイントが加算される。

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