〈時事エッセー・沈黙の声 50〉在朝被爆者支援無視を続ける岸田政権/浅野健一
2024年08月22日 09:11 寄稿松井市長の妨害排し原爆ドーム前集会
岸田文雄首相は14日の自民党総裁選への不出馬表明に先立つ6日、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に参列し、式典後に市内のホテルで開かれた被爆者7団体の代表から「要望を聞く会」に臨んだ。「聞く会」には上川陽子外相、武見敬三厚労相が同席した。私は、市政記者クラブの記者と共に取材した。
被爆者団体代表らが要望
被爆者団体側は「1年前の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で発せられた広島ビジョンは、核兵器を肯定する核抑止論が基調だった。核兵器廃絶に言及がなく、核兵器禁止条約にも触れず、落胆の余韻は続いている」と指摘。また、「政府が核兵器禁止条約に背を向けている状況下で、私たち被爆者は海外に出かけて活動することに非常に気後れをして、恥ずかしい思いをしている」と述べたうえで来年3月、米国で開かれる核兵器禁止条約の3回目の締約国会議に、日本がオブザーバーとして参加するよう求めた。