復旧活動に国家力量を集中/平安北道、慈江道で洪水被害、金正恩総書記が救出活動指導
2024年08月01日 16:00 共和国朝鮮中央通信によると、7月27日に朝鮮の北部国境地帯と中国側地域を襲った記録的な豪雨により洪水が発生し、平安北道と慈江道に重大な被害が及んでいる。金正恩総書記は28日、平安北道の新義州市と義州郡の水害現場を視察し、29日にも浸水地域を見て回った。また、総書記の司会の下、29、30日にかけて朝鮮労働党中央委員会第8期第22回政治局非常拡大会議が新義州市の被災地現場で行われ、復旧活動に関する党政治局決定書が採択された。
住民孤立も4200余人救助
今回の豪雨、洪水の影響で新義州市と義州郡では、4100余世帯の家屋と約3千ヘクタールの耕地をはじめ、数多くの公共の建物と施設物、道路、鉄道が浸水する被害を受けた。
27日には豪雨により鴨緑江の水位が危険ラインをはるかに超え、鴨緑江の下流に位置する新義州市と義州郡の複数の島で5千人余りの住民が浸水危険区域に孤立する事態が起きた。この事態発生後、直ちに総書記の直接の手配によって党と政府、軍部の指導幹部が現地に急派され、朝鮮人民軍空軍のヘリコプター、海軍と国境警備隊海上警備編隊の各種救助艇が住民救出活動に投入された。
28日、水が氾濫する険しい道を走り救助活動が展開されている飛行基地に到着した総書記は、指揮官たちから浸水危険区域の住民の状態と救助戦闘状況を確認。10余機のヘリコプターがおよそ20余回ずつ往復飛行し、不利な天気と緊急な状況下で住民を救出する過程をすべて見守りながら、救出活動を直接指導した。活動の末に、4200余人の住民が無事に救助された。
一方、両江道金正淑郡の長項里一帯では28日の豪雨で長津江が氾濫し、150余人の人民が孤立したが、党中央軍事委員会の特別命令により緊急動員されたヘリコプターが7回にわたる救助任務を行なった結果、全員が無事に救出された。
29日から2日間にかけて党中央委政治局非常拡大会議が行われた。
総書記は会議で、被害発生の初期から行ってきた当該地域と各級機関の救済対策および復旧活動状況に対する評価を下し、成果と欠点を分析。そのうえで、今この時刻も人民は党を信じてこの会議を注視していると述べ、人民の期待とかれらに対して担った重要な使命を重く自覚して一日も早く被害を克服するためのすべての措置を強力に、綿密に講じなければならないと語り、そのための綱領的課題と方途を示した。
総書記は、被災地の住民の生活を早急に落ち着かせるために非常災害用の備蓄物資を緊急供給するための対策を立て、内閣と当該の省、中央機関もこの活動に積極的に取り組まなければならないと強調。被害復旧のための実務的問題について具体的に言及した。また、災害発生の際に救助作業に動員できる必須救助装備と機材を早急に備蓄するための活動を強く推し進めなければならないと述べ、そのための重大措置を発表した。
政治局非常拡大会議では、政治局決定書「平安北道と慈江道の洪水の被害を早急に復旧することについて」が採択された。
決定書には、▼国家的に力量を総集中して被害復旧活動を強力に推し進め、▼平安北道と慈江道に組織する被害復旧司令部に党中央委と内閣、省、中央機関、武力、軍需部門、当該の道の活動家を網羅し、▼人民軍部隊と白頭山英雄青年突撃隊が新義州市と義州郡の被災地における4400余世帯分の近代的な住宅建設を、平安北道が人民軍との協同で島地域の堤防強化工事を担当し、▼人民軍を慈江道の被害復旧地域に、各道が組織する党員連隊を平安北道と慈江道内の被害の大きい市・郡に派遣するという内容が反映された。
朝鮮では現在、特級災害非常地域に指定された平安北道と慈江道、両江道の鴨緑江沿岸などの地域に対する支援活動が全国で繰り広げられている。
(朝鮮新報)