〈まるわかり! 法律で知る朝鮮11〉青年教養保障法に見る朝鮮社会の実情/李泰一
2024年06月21日 08:00 寄稿朝鮮の未来を法的に担保
■はじめに
最高人民会議第14期第5回会議(2021年9月29日)において、青年教養保障法が制定された。本法は、社会主義全面発展期における今日において、重要な意義を持つ。なぜならば、国家や社会の明るい未来、中長期展望は、後代たちによって担保されるからだ。
一般的に諸国家は、目先の喫緊の課題に取り組みながらも最重要課題である後代の育成問題に常に関心を寄せてはいる。しかしながら、資本主義国家においては、それはスローガン的な意味を持ち、必然的に中長期政策、その中でもとりわけ後代の育成という最も価値のある事業はおろそかになる。その理由は、資本が中長期戦略を望まず、目先の利潤を最も大事にするからだ。日本においては、過去30年間がそのことを見事に示している。コミュニケーションが苦手な世代、人を思いやれない世代、自己肯定感が低い世代と言われる現存する青年世代は、まさに新自由主義教育の結果、ゆとり教育の結果、大学の独立法人化の結果の産物であろう。
世界の多くの国々において青年問題は、決して解決することのできない難問であるとされている。青年たちは今、何に悩んでいるのか、この問い対して資本主義という枠組の中では解決することができない。なぜならば、現存の利害関係だけを追い求める大人たちが策定した政策の犠牲者たちがまさに今、悩んでいる青年たちであり、今、青年たちに起こっている諸問題の根源は、大人たちと、社会、国家の政策にあるからだ。
資本主義諸国と違い朝鮮は、この30年間、まったく違う道を歩んだ。青年重視を国事中の第一国事と定め、青年重視政策を国家の永遠なる国策とし、その内容を法化するに至った。その法がまさに青年教養保障法である。
■青年重視政策提示の意義