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同胞武道家・姜昌秀先生の生誕111周年に際して / インタビュー 在日本朝鮮人空手道協会 金秀明会長

2024年05月29日 13:11 スポーツ

“愛国の道一筋、師匠の意志を継ぐ”

来る6月16日、同胞武道家である姜昌秀先生の生誕111周年記念祝賀会が東京で開かれる。準備を進めてきた関係者の一人である在日本朝鮮人空手道協会の金秀明会長に話を聞いた。

-姜昌秀先生の生誕111周年に際し、思い起こされることはなんですか。

わたしが初めて先生にお会いしたのは1977年、東京朝高1年生の時です。白帯を締めて先生の指導する訓練に参加したのですが、生徒の名前をひとりひとり読み上げながら資格証を手渡す姿が第一印象です。

朝大卒業後、先生から本格的に指導を受けました。忘れられない思い出は、1986年6月に日本各地で活躍する師範が一堂に会して行われた「組手選手権」です。その時の優勝者と2回戦で対戦したわたしは、鼻と口に打撃を受け、白い道着が血で赤く染まってしまったのですが、先生が近づいてきて静かにいうのです。 “君はここで一瞬でも不快な顔をしてはいけません。武道家たる者、いかなる時も平常心を保たなければなりません。そうでなければ、君はこれから戦い抜くことができませんよ” その一言がとてもありがたく、いまも私の胸に刻まれています。わたしが60代になるまで人生の節々で自分を律し、試練を乗り越えることができたのはそのおかげです。

-姜昌秀先生は、祖国と領袖に対する忠誠の心を持ち、総聯組織の強化発展のために献身した闘士、名声高き武道家でした。

人並外れた修行を重ね、空手10段範士の称号を授与された先生が残した武勇伝は数え切れません。若い頃は、どんな危険を冒しても同胞の学生、商工人を素手で守った。大山倍達、力道山、大木金太郎をはじめ、戦後日本で強者、猛者といわれた人物たちとの縁も、武道家としての先生の存在感を物語るものです。

先生が武道家として追求したのは、人を殺める殺人拳ではなく、人を活かす活人拳です。拳に力が宿るとき鉄拳となり、鉄拳に心が宿るとき誠になるという信念、心身の鍛錬を通じて社会に貢献する人材を育てるという使命感、それらがすべて先生の活人拳に込められていたとわたしは思います。

先生が創造された空手の型は「白頭型」、「金剛型」、「拳道型」、そして最後に残されたのが「平壌型」別名「洗心型」です。拳道の基本である型の名称にも先生の祖国愛が感じられます。

朝鮮の歌、「수령님 바라시는 오직 한길에(領袖が望むその道一筋に)」、それが先生の愛唱曲でした。特別な集いなどでは、弟子たちのリクエストに応えてその歌をうたってくれました。2番の歌詞が心に響きました。

“ 居心地のいい場所は望まず

華やかな花束も望まない

われらが行く道、誰知らずとも

胸の中には大きな栄誉がある ”

この歌詞は先生が歩んできた人生そのものです。

-弟子として、師匠から学んだことをどう受け継いでいきますか。

武道を究めれば、それは心に至ります。 そして心が強いほど人への思いやりが深まるものです。先生の傍らで直接学んだわたしたちだけが弟子ではありません。学生時代に拳道を通じて心身を鍛えた人は数え切れない。かれらがいま、総聯の活動家として、商工人として同胞社会を守り発展させるために役割を果たしている。私も師匠から学んだことをしっかりと胸に刻み、その一翼を担いたいと思います。

姜昌秀先生の生誕111周年記念祝賀会も、そのようなわたしたち心を結集させる場となるでしょう。これを機に在日コリアン空手道後援会を立ち上げます。先生の意志を継ぎ、様々な分野で活躍する弟子たちが力を合わせ、同胞武道家たちを応援し、かれら活躍の場を広げていく。誰もが参加し、心を合わせることができる。わたしたちはそんな活動を目指しています。

姜昌秀先生生誕111周年記念祝賀会

2024.6.16(日) 上野東天紅

17:30開場 18:00開始

(朝鮮新報)

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