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孤独死の78%が65歳以上の高齢者

2024年05月22日 09:58 社会を知る~今週のnewsトピック~ 連載

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

孤独死の78%が65歳以上の高齢

今年1〜3月に一人暮らしの自宅で亡くなった65歳以上の高齢者が1万7034人確認された。13日の衆院決算行政監視委員会での警察庁の答弁で明らかになった。

同庁によると、通報や医師からの届け出で警察が取り扱った一人暮らしの遺体(自殺も含む)のうち、自宅で亡くなった人は2万1716人(暫定値)。そのうち65歳以上の高齢者が78.4%を占めた。年齢が上がるほど死者数は増え、85歳以上は4922人。

この3カ月間の数値を年間ベースに単純に置き換えると、約6万8千人の高齢者が独居状態で死亡していると推計される。

警察庁は今回、「孤独死・孤立死」の実態把握のため初めて集計したという。

一方、身寄りがない人が亡くなり自治体が遺体を火葬する事例が急増している。

このような状況を受け、厚生労働省は、遺体を自治体が引き取った場合の親族捜しや火葬・埋葬の手続き、遺骨の保管状況に関する初の実態調査を始めるという。20日各紙が報じた。現在、身寄りがない人が病院で亡くなったり、孤独死したりして、身元ははっきりしているのに遺体を引き取る家族や親族がいない場合は、墓地埋葬法に基づき、「死亡地の市町村長」が埋葬や火葬をすることになっている。しかし、これらの規定に基づいた自治体の統一的なルールはなく、遺体や遺骨の取扱に苦慮するケースが増加しているという。

日本人の同性カップル、カナダで難民認定

朝日新聞18日付は、同性カップルの日本人女性が昨年、カナダで難民認定を受けたと報じた。難民と認められたのは50代と30代の女性。それぞれ「ハナ」さんと「エリ」さんの名前でカナダでの永住が認められた。もともと2人は、日本の自治体の同性パートナーシップ制度で証明書を得ていたが、異性婚の夫婦と同等の法的保護を受けられず、また職場や地域社会で差別を受け続けたため、「ハナ」さんが学生ビザを取り、2人で2021年にカナダに渡った。そこで、2人はカナダ政府が性的少数者を難民として受け入れていることを知り、22年11月から申請の手続きを始めた。23年9月、カナダ移民難民委員会から難民認定を得た。

カナダ側の難民認定の判断理由は2人が日本で受けた差別に加え、差別が日本全体にあり、別の地域に移っても逃れられないと指摘。また、国連女性差別撤廃委員会の日本への所見なども踏まえ、女性や性的少数者の人権が十分に守られない日本の状況が判断理由として記された。

入管施設で死亡、2審も賠償命じる

16日、東京高等裁判所は、2014年に東日本入国センターに収容されていた43歳のカメルーン人男性が死亡したことをめぐり、入管施設の職員が救急搬送を要請する義務を怠ったとして1審に続き、2審も遺族に165万円を支払うよう国に命じる判決を言い渡した。

出入国在留管理庁は、「判決の内容を精査し、適切に対応したい」としている。

この男性を含め、東日本入国管理センターでは、2007年以降、病気や自殺などで収容された外国人6人が死亡している。

入管施設の医療をめぐっては3年前、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋市にある入管施設で体調不良を訴えて死亡した問題でも体制面などの課題が明らかになっている。

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