「タルリョラ、ファン・ソンス!」、西東京第1応援団、群馬に駆けつけ声援
2013年05月27日 14:49 スポーツ西東京朝鮮第1初中級学校出身のJリーガー・黄誠秀選手(25、ザスパクサツ群馬)を応援するため26日、同校の児童・生徒、学父母、同胞ら約80人の応援団がザスパクサツ群馬のホームスタジアム・正田醤油スタジアム群馬(前橋市)に駆けつけた。
「同胞たちに夢を与える存在に」
〝タルリョラ、タルリョラ、ファン・ソンス!〟
同胞たちの声がひときわ大きくスタジアムに響いた。
朝9時過ぎに同校に集まった参加者たちは、マイクロバス3台に分乗し、胸を躍らせ群馬に向かった。スタジアムに着いた参加者たちは、母校の星である黄選手の登場を今か今かと待ちわびた。黄選手がピッチに登場するや、割れんばかりの「黄誠秀コール」。応援団は手作りの応援グッズや横断幕を掲げ、一生懸命エールを送った。
黄選手も、体を張った闘志あふれるプレーで同胞たちの期待に応えた。ギラヴァンツ北九州との試合は0-0の引き分けに終わったものの、黄選手はボランチで90分のフル出場を果たした。
試合後、スタンドに向かった黄選手は同胞たちにあいさつし、遠方からはるばる駆けつけ応援してくれたことに謝意を表した。参加者全員との記念写真の撮影が終わると、黄選手は子どもたちの「握手攻め」に遭った。
憧れの存在を目の前にした鄭豪世さん(初5)は、興奮気味に語った。
「黄誠秀選手は足が速く、キックもうまかった。試合を見て多くを学んだ。将来プロサッカー選手になるために、黄誠秀選手を目標にし、日々の練習に励みたい」
黄選手が幼い頃、サッカーを指導した金大正さん(36)は、当時を振り返りながらこう語った。
「誠秀は、初級部の頃から誰よりも向上心が強く、その頃からすでにプロ志向があった。成長した姿を見ることができて、言葉では言い表せない嬉しさを感じる。今では、多くの子どもたちが彼を目標にしている。これからも活躍して、子どもたちに夢を与え続けてほしい」。
同校は、ザスパクサツ群馬の黄誠秀選手(45期卒業)以外にも、京都サンガF.C.の姜成浩選手(45期)、川崎フロンターレの安柄俊選手(48期)など、3人のJリーガーを輩出している。
3年前、大分トリニ-タに所属していた姜選手を応援しようと初めて応援団を結成したと語る「西東京第1出身のJリーガーを応援する会」の金益柱会長(46)は、同校の応援体制は万全だと胸を張る。
「母校出身のJリーガーたちは、学校にユニフォームを寄付したり、練習に参加し子どもたちと一緒にボールを蹴ってたりしてくれる。子どもたちも大喜びだ。彼らの人柄の良さに惹きつけられ、こうして多くの同胞たちが集まった。これからも、西東京第一の誇りである彼らを全力で応援していきたい」。
黄誠秀選手は、「同胞たちの期待に応えるために、がむしゃらにプレーした。試合中に同胞たちの応援の声が聞こえたので、勇気づけられ、最後まで走りぬくことができた。子どもたちには、自分を超えるという高い目標を掲げ、向上心を持って練習に励んでほしい。時間が許す限り母校に顔を出し、子どもたちと一緒にボールを蹴ろうと思う。同胞たちに夢を与え、自分という存在から多くを伝えていけるよう、これからもがんばりたい」と語った。
(李永徳)