社会に蔓延する偏見、一要因に差別的職質/レイシャル・プロファイリング訴訟
2024年04月23日 08:12 社会第1回口頭弁論、東京地裁で
「ちょっとお話できますか」「日本語うまいですね」「在留カードありますか」。
「外国人の方が運転するのは珍しいからです。運転免許証を確認させてください。とにかく車から降りてください」。
以上はすべて、近年あった日本の警察による外国ルーツの人々への職務質問である。運転中のバイクを止めるよう指示された際に言われたもの、いったんは横を通り過ぎたにもかかわらず問いかけてきた例もある。ある人は、自家用車を運転していたとき、対向車線にいたパトカーが突如Uターンし、サイレンを鳴らしながら追尾されたそうだ。
15日、警察による人種差別的な職務質問の違憲性・違法性を問う訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開かれた。
近年、国際的なイシューでもあるこの問題。法廷では、原告代理人による訴状内容の説明後、原告らが意見陳述した。
人種、肌の色、国籍、民族的出自などを理由に捜査対象を選ぶ職務質問。いわゆるレイシャル・プロファイリングについて、人種差別撤廃委員会はこう定義する。
「警察その他の法執行機関が、人を捜査活動の対象としたり、個人が犯罪活動に関与しているかどうかを判断するための根拠として、いかなる程度であれ、人種、肌の色、世系、または国もしくは民族的出自に依拠する慣行」。
駅や路上など行く道で警察に呼び止められる外国ルーツの人々を目にすることは少なくない。けれどそれは、この日本社会で多数を占めるマジョリティーたちにとって、日常的に体験するようなことではない。