「みんなの手で朝鮮学校守ろう」/近畿の同胞、市民ら2,500人がパレード
2013年03月26日 11:34 民族教育近畿地方の同胞、日本市民約2,500人による集会とパレード、「朝鮮学校への『高校無償化』適用 自治体補助金の再開・復活を求める『朝鮮学校ええじゃないか! 春のモア・パレード』」が24日、大阪市で行われた。
この集会とパレードは、政府による「高校無償化」からの朝鮮学校除外、各自治体による補助金削減や支給停止に対して、すべての子どもたちの学ぶ権利を守るために声をあげようという近畿の同胞と日本市民の思いを結集させ、実現した。23日現在、308の団体と個人が賛同している。
扇町公園で行われた集会は、太鼓集団による和太鼓演奏で始まった。
主催者を代表し、実行委員会の長崎由美子事務局長(「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」事務局長)があいさつを行った。
長崎事務局長は、集会に各地から仲間が来たことを強調。行事の名称の「モア」に、人々の心を集め、より大きく広げていくという意味を込めたと述べた。
また、互いの違いを認め民族や心を大切にすることが難しい時代であるが、みんなで手をつなぎ、違いを認め合い、とくに朝鮮学校に通う生徒の輝きをアピールしていくことで、住みやすい社会を創っていこうと呼びかけた。
次に、丹羽雅雄弁護士による、「高校無償化」適用と補助金交付問題に関する訴訟の経過報告があった。
続けて、神戸朝鮮高級学校の金人済さん、大阪朝鮮高級学校の姜詩那さん、京都朝鮮中高級学校の金誠謙さん(すべて高2)たちが発言した。
和歌山県から往復5時間かけて大阪朝高に通っているという姜詩那さんは、「みなさん、今ウリハッキョは危機的状態にあります。力を貸してください。ウリハッキョを守りましょう。私たちも頑張ります」と、切実に訴えた。
集会では、大阪朝高声楽部の合唱「ウリハッキョはわが故郷」「リムジンガン」、京都朝高を卒業して同志社大学に通う金泰樹さんと大学生時代から朝鮮学校支援活動に携わっている佐藤大さん(朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋)によるリレートーク、近畿地方の各学校のオモニ会代表による国連社会権規約審議委員会(4月末)参加に向けたカンパ呼びかけ、松岡千紘さんによるラップライブ、朝鮮学校を支えている兵庫、奈良、京都、東京など各地日本団体の報告、自治労大阪府本部、大阪人権博物館、大阪市教職員組合の連帯のあいさつなどがあった。
最後に、実行委員会の大村和子さん(城北ハッキョを支える会)が発言し、「朝鮮学校への無償化適用と補助金再開のため、ともに最後までがんばろう」と呼びかけた。
参加者らは集会後、扇町公園から西梅田公園までの約2.5kmの区間をパレードした。
大阪の同胞青年農楽隊が先導した。
参加者たちは、「民族差別反対! みんなの手で朝鮮学校守ろう!」「朝鮮学校生徒へも差別なく無償化を適用しろ!」「大阪府・市は今まで通り補助金を再開しろ!」「朝高生も同じ高校生、差別に反対!」などのシュプレヒコールをあげながら行進した。乳母車に子どもを乗せたオモニたちや、子どもを抱きながら歩くアボジたちの姿もあり、劇団「タルオルム」がこの日のために作成したというチマ・チョゴリ姿の「巨大な朝高生」人形もひときわ目立った。
岡山県倉敷市出身で結婚を機に大阪で住むようになったという李智恵さん(36)は、大規模な集会とパレードに初めて参加したという。5歳、2歳、0歳の子どもを連れてきた李さんは、「多くの同胞、そして多くの日本人が心を一つにしていることが印象深かった。日本政府は在日朝鮮人、とくに子どもの学ぶ権利を踏みにじってはならない」と話した。
2月の留学同京都総合文化公演「4.24の歌」に出演した李伸さん(京都大学3年)は、留学同京都農楽隊の一員としてプクを叩きながらパレードに参加。「65年前、在日同胞の民族教育擁護運動のために4.24教育闘争に立ち上がった先代の気持ちで今後もたたかっていく」と語った。
3月に朝鮮大学校を卒業し、朝青兵庫県本部の活動家として働くことになった金成學さん(22)は、日本人の支持者の多さ、彼らの朝鮮学校支援活動を自分たちのことのように捉えている姿に圧倒されたとしながら、「活動家として、朝・日市民の交流、同胞の団結強化をより促進させていきたい」と話した。
(李東浩)