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北海道・朱鞠内で2013東アジアの平和のための高校生共同ワークショップ

2013年03月07日 11:13 暮らし・活動

朱鞠内―道内でも有数の厳寒の地で、マイナス41.2℃という日本の最低気温の記録を持つ地である。朱鞠内はアイヌ語が変化したものでシュマ・リ・ナイ(石・高い・川)と解読されている。

この地で15年戦争下の1938年から1943年までの6年間、「雨竜ダム」という巨大ダムの建設と鉄道工事が行われ、膨大な数の朝鮮人が労働者として使役され犠牲となった。

北海道の近代史の中の戦争と朱鞠内の雨竜ダム工事、鉄道工事の歴史、朝鮮人強制連行、強制労働の事実を朝・日の若者たちが共有し、未来を切り開くために1997年夏に東アジア共同ワークショップが始まりこの間の参加者数は1,500人を越えた。会場となる光顕寺の本堂には今も犠牲者の位牌と遺骨が安置されている。この本堂は無念のうちに犠牲になった人々が追悼されている唯一の場所で犠牲の記憶を今に伝える大切な場所となっている。参加した在日朝鮮人、南朝鮮人、日本人、アイヌ、中国人たちは実にさまざまな葛藤と共に友情を育んできた。

2月9日から11日の3日間にかけて行われたワークショップには、北海道朝鮮初中高級学校・旭川大学・旭川教育大学の大学生、深川西の高校生ら、アイヌの人々をはじめ 約50人が参加した。(写真)

朝・日の高校生、大学生は互いに準備した研究発表会を行った。朝鮮学校の報告では、在日朝鮮人のルーツからはじまり現在日本政府の朝鮮に対する敵視政策、在日朝鮮人に対する「高校無償化」撤廃等の差別政策を自分の学校の処遇問題と照らし合わせ解説し、差別の撤廃と歴史認識の共有を訴えた。高校生、大学生らは、朝鮮人の過去の歴史、現在、日本が抱えている問題、在日朝鮮人が置かれている状況について考えを深めることができた。

熱い討論が繰り広げる参加者たち

討論では、朝鮮と日本を取り巻く現情勢について本音で対話をすることでより熱い議論へと発展した。学生たちは「歴史を正確に知り、反省することが何よりも大事なこと」、「正しい歴史認識を持ち、伝えていかなければならない」、「頭で考えるだけではなく行動に移すことが大切」「こういった交流をこれからも続けなければならない」「マスメディアの報道内容を鵜呑みにしてはならない」などと話し合った。

旭川大学のある学生は「自分たちは知らなければならないことを知らずに今まで生きてきた。無知であることが罪であるということを深く考えさせられた。これからは共に本当の意味で共存できる社会を作り上げていきたい」と力強く語っていました。

また本堂に安置されている犠牲者の遺骨や位牌を実際に見ることによって犠牲の痛みを肌で感じることができた。

今回の交流で、朝・日の高校生、大学生らは3日間、共に議論し、歌い、笑いながら新しい関係を築き上げた。

日本の植民地支配から長い年月が経ったが、日本は戦後の今日に至るまで明確な反省と謝罪をしていない。時代の流れとともにかつての植民地支配と戦争の記憶が薄れる中、こうして朝・日の高校生が過去の歴史を話し合うこと、明るい未来を共に描くことは今後の東アジアの和解と共同の関係を作り上げていく大きな原動力となるだろう。

(尹成昊/朝青北海道 指導員)

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