〈さくっと解説~知識の源Q&A〉劇症型溶血性レンサ球菌感染症って何?
2024年04月03日 10:00 時事多様・複雑化する昨今の日本社会で、相互理解の前提となる知識や認識の積み重ねは、一層その必要性を増している。【企画】知識の源Q&Aでは「社会を知る~今週のnewsトピック~」(本紙毎週月曜日号)と関連して、今知っておきたい知識をQ&A形式で紹介する。
3月21日、朝鮮中央通信は「日本で致死率30%を超える悪性伝染病が急速に拡散」との見出しで、日本国内での報告数が増加する劇症型溶血性レンサ球菌感染症に関して報じた。国立感染症研究所によると、昨年1年間に日本各地で報告された同感染症の患者数は941人と過去最多。一方、今年に入ってからの患者数は、3月時点で昨年1年間の半数を上回る値だ。劇症型溶血性レンサ球菌感染症とはどんな感染症なのかを確認してみたい。(参照=国立感染症研究所、東京都保健医療局HPなど)
Q.劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは?
A. 1987年に米国で最初に報告(日本では1992年に初報告)された死亡率の極めて高い疾患のこと(英語名:streptococcal toxic shock syndrome: STSS)。四肢の疼痛(とうつう=強いうずくような痛み)・腫脹(しゅちょう=炎症などによる腫れ)・発熱・血圧低下などの初期症状の後、急激かつ劇的に病状が進行し、急性腎不全や多臓器不全、軟部組織壊死などを引き起こす。ショック状態から死に至ることも多く、別名「人食いバクテリア」と呼ばれる。
この感染症の主な病原体はA群溶血性レンサ球菌だが、その他にB・C・G群が原因となる場合もあり、幅広い年齢層で発症するといわれている。一方、一般的に小児で多く流行するといわれる咽頭炎(溶連菌感染症)も主な病原体は同様にA群となる。
Q. 近年の患者報告数は?
A.去年は過去最多の941人を記録、今年は3月22日現在で512人。すでに昨年1年間の患者数の5割超えの値で、昨年を上回るペースで急速に感染が広がっている。
Q.感染経路は?
A.主には、