福岡朝鮮学園への補助金削減を反対する署名/今日18時に締め切り
2024年03月11日 13:35 民族教育「若者・子どもを応援する」市、道理に合わず
2024年度北九州市予算案における福岡朝鮮学園への補助金削減の撤回を求める署名活動がインターネット上で行われている。
インターネット上の署名サイト「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で、今月4日から開始された署名「2024年度北九州市予算案における福岡朝鮮学園への補助金削減を撤回してください」では、北九州市長が提案した予算案が、憲法および国際人権規約などが保障する「すべての人が教育を受ける権利」や「平等権」の侵害にあたるとして、福岡朝鮮学園への補助金削減を撤回するよう求めた。
これは、北九州市の武内和久市長が、2月20日の市議会定例会に提出した2024年度一般会計当初予算案と関連し、福岡朝鮮学園への補助金が23年度予算(285万円)の40%となる110万円が削減されたことに伴うもの。
市教育委員会の田島裕美教育長、武内和久市長宛の同署名の趣旨では、2010年に施行された高校無償化法が、「学校教育法上一条校ではない各種学校を、一条校と同等の内容の教育を行っていると認め、学ぶ意思があるすべての人に対して教育の機会を保障する上で画期的な制度であるにもかかわらず、そこから朝鮮学校だけが排除」されてきたと指摘。同制度を筆頭に、国からの財政的支援がない中、地方自治体における補助金が、学校運営の継続のための「貴重な財源」となっており、削減による財政的危機に直面せざるを得ないとして、補助金削減の撤回を求めた。
署名はこれまでにSNSなどを通じ拡散され、11日現在で4,989筆の賛同が集まっている。
また署名のページ上には「子どもの、誰もが同じように学ぶ権利を北九州市が先頭を切って十分に保障することで名声をあげてください」「2024年度の北九州市の予算案は、前年度に比べ187億円増額しています。また5つの重点施策の一つとして、『若者・子どもを応援する』(二番目に多い予算)を掲げています。そのような中、福岡朝鮮学園への補助金削減を行うのは道理にあいません」など、多数のコメントが寄せられている。
署名集約は今日11日夕方6時まで。今後、請願書と合わせて北九州市議会に提出される予定だ。
新たな支援の動き
九州初中高の趙星来校長によると、署名活動をする有志らは、これまで親交のあった学校支援団体などではなく、「問題の深刻さに気づき、新たに声をあげてくれている人々」だという。また今般の流れを受け、JR小倉駅前では有志らが補助金の削減撤回を求める街宣活動を行っているという。
一方、福岡朝鮮学園は2月21日、市に対し意見書を提出した。意見書では、唐突な補助金削減の経緯など北九州市と教育委に対し、説明などを求めた。
(韓賢珠)