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千里馬クラブ、「全国」4強に/第31回全国クラブラグビー

2024年02月07日 11:33 スポーツ

4日に行われた第31回全国クラブラグビーフットボール大会準決勝。2年連続の「全国」大会となった社会人ラグビーチームの大阪闘球団「千里馬クラブ」(以下、千里馬)は神奈川タマリバクラブと対戦し、7-13で惜しくも涙をのんだ。

サポーターたちに勇姿を示した千里馬

歴史と先代の思いを背負い

千里馬クラブは1980年に結成。中心となったのは公式戦出場が認められなかった大阪朝高(当時)のラグビー部OBたちだった。クラブチームの頂点を決める本大会に過去13大会連続出場を決めた千里馬だったが2018年に地域リーグ降格の辛酸をなめた。

21年に監督に就任した韓裕樹さん(選手兼任、FL)を中心にチームは「3年で『日本一』」をモットーに意識改革を進め、改革2年目の前回大会では26年ぶり3回目の準優勝を果たした。

そして改革3年目を迎えた今年、今大会に向けてチームの強化が図られる中、普段の練習は最大30人規模で行われ、所属メンバーも82人に。韓さんは「出場枠を狙ってチーム内の競争が激しくなり、練習の質と量が向上した」と振り返る。

「昨年の準決勝以降、積み重ねてきたものを出しきって勝つ」(韓さん)との思いで、「歴史を変えるチャレンジ権を掴む試合」として準決勝に臨んだ。

歴史と先代の思いを背負い、在日ラグビー界初の「日本一」を目指す千里馬だったが、惜しくも4強に留まった今大会。

試合を終えた南紀成主将(FB)は「スター選手がいない中で、若手もベテランも一体となってここまで来られたのが一つの成果だ」としながら「課題としては、反則をしてしまうなど自分たちの甘さが出た」と話す。そして、「悔しかった分、来年こそは『日本一』を獲りたい」と話しながら「恩に結果で返すのが僕らの使命だ」と、応援に駆け付けた地域同胞たちの声援に再起を誓った。

先制トライを奪った千里馬の選手たち

“最後まで諦めない姿に感動”

愛知中高ラグビー部OBであり、現在は同部のコーチを務めている高哲明さん(49)は生徒たちを連れて会場を訪れた。高さんは「水準の高い試合を観戦するのは生徒たちにいい刺激になり、勉強になったはずだ」と語り、千里馬の選手らには「来年も待っている」と期待を込めた。

同部の金宥羽さん(高1)は「相手に低いタックルで立ち向かう選手たちの姿に気概を感じた」と目を輝かせ、「落ち着いて戦況を把握する視野の広さに驚かされた」と話した。

また、同部の兪成樹監督は昨年に続き選手たちの移動をサポート。前日には選手たちを激励するため、愛知県青商会と愛知闘球団からも差し入れがプレゼントされた。一方で今回はその返礼として、千里馬から愛知闘球団へラグビーボールが贈られた。

試合前日、愛知県青商会と愛知闘球団が差し入れをプレゼントした

千里馬の勇姿を見届けた愛知闘球団の辛洸誠副主将(30)は「ラグビーフェスティバルの開催を控えている中、間近でトップレベルの試合を見ることができて刺激を受けた」と述べ、生徒たちのラグビーに対する関心を高め、「各地から来た同胞たちには、来てよかったと思えるフェスティバルにしたい」と展望を語った。

「昨年の準決勝と変わらない思いで応援した」と語るのは愛知県青商会の姜勝利さん(32、広報部副部長)。姜さんは試合のスコアに悔しさをにじませつつも、大きな感動を得たという。それは終盤の逆転トライ後、5分間に及んだ千里馬の猛攻を通してだった。「選手たちの最後まで諦めない姿に感動した。自分たちも、その気持ちを持って民族教育支援などの青商会の活動に取り組んでいきたい」(姜さん)

(文・高晟州、写真・盧琴順)

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