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自然災害時のデマ、重大な人権侵害

2024年01月10日 10:00 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

戦犯企業の賠償確定、昨年12月から6例目

日本の植民地支配下、戦犯企業らの下で過酷な労働を強いられた強制徴用被害者たちが、企業側に損害賠償を求めた訴訟と関連して、昨年12月に5件の原告勝訴判決が確定する中、今月11日、新たに1件の原告勝訴判決が確定した。

南朝鮮の大法院(最高裁)は、同日付の決定として、戦時中に八幡製鉄所(現在の北九州市)で強制労働に従事した被害者遺族らが、日本製鉄(旧・新日鉄住金)を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、企業側の上告を棄却。日本製鉄に対し、損害賠償の支払いを命じた。

企業側の賠償判決が確定した同種訴訟同様、大法院は、被害者の日本企業に対する慰謝料請求権は、1965年の日韓請求権協定の対象には含まれていないとした。また、日本製鉄側が主張した消滅時効の成立については、日本企業の賠償責任を認める初の判決確定となった2018年10月まで、原告らは「権利を行使できなかった理由がある」として主張を全面的に退けた。

南政府は昨年3月に発表した「解決策」に則り、政府傘下の財団が企業側に課せられた賠償金を肩代わりする方針を示しているが、他にも係争中の同種訴訟判決を控えていることから、賠償額の増加に伴う財団の財源不足が指摘されている。被害者らの尊厳を踏みにじるばかりか、解決には程遠い骨抜きの「解決策」であることを露呈する形だ。

民意に反する辺野古工事の強行

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、国は10日から設計変更承認の「代執行」を経て、軟弱地盤がある大浦湾側の改良工事を強行している。そんな中、国の強行策に抗議する地元住民らの集会が12日、名護市の米軍キャンプシュワブ・ゲート前で開かれた。「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」が主催した抗議集会には約900人(主催者発表)が参加。参加者たちは、民意に反する国の埋め立て強行を反対の声を上げた。

オール沖縄会議の稲嶺進共同代表は「(国は)地方自治を尊重するという立場は微塵もない。これまでの仕打ちと今回の仕打ちでまた明らかになった」と怒りをあらわにした。

先立ち6日には、米国の映画監督であるオリバー・ストーン氏など世界各国の識者ら400人以上が連名で、辺野古の新基地建設に反対し、中止を求める声明を発表した。

声明は、「米日の事実上の軍事植民地とされている沖縄の、さらなる軍事化を拒否する沖縄の人々への支持」を表明。「県民の大多数が反対しているにもかかわらず、辺野古埋め立てにこだわり続け、かけがえのない生態系を破壊している」として、日米両政府を非難した。

自然災害時のデマ、重大な人権侵害

1月1日の能登半島地震が発生後、SNS上では「能登半島に外国系の盗賊団が集結中」などのデマが書き込まれ、拡散された。一連の投稿に根拠が示されたものはなく、NHKの報道によると、能登地方での「外国人の窃盗団」は確認されていないとの見解を、石川県警察本部が示している。

その他にも、関東大震災時に朝鮮人虐殺の口実となった「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマを彷彿とさせる内容(「井戸で水を飲む方は毒に気をつけて」)の投稿も散見される。

近年SNSでは自然災害発生後に同様のデマが繰り返される一方、取り締まる法律がないことが度々指摘されている。

法務省人権擁護局は4日、公式のXアカウントを通じて「不確かな情報に基づいて他人を不当に取り扱ったり、偏見や差別を助長するような情報の発信は重大な人権侵害や避難、復興の妨げにもなりかねない」として、正しい情報と冷静な判断で、対応するよう呼びかけている。

(朝鮮新報)

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