〈さくっと解説~知識の源Q&A〉インボイス制度とは
2023年12月13日 09:00 社会多様・複雑化する昨今の日本社会で、相互理解の前提となる知識や認識の積み重ねは、一層その必要性を増している。【企画】知識の源Q&Aでは「社会を知る~今週のnewsトピック~」(本紙毎週月曜日号)と関連して、今知っておきたい知識をQ&A形式で紹介する。
今年10月1日、日本政府は、「消費税の納税額を正確に把握すること」を目的に、インボイス(適格請求書)制度を導入した。フリーランスや小規模事業者など制度開始前から、導入反対の声は根強く、岸田首相宛の54万筆超の署名が集まるほど。これを主導したインボイス制度を考えるフリーランスの会によると制度開始から1ヵ月の緊急意識調査では、回答者の約7割が「事業・仕事の見通しは悪い」「廃業を検討している」などとマイナスの影響を訴えた。人々の生活に大きな影響を及ぼすインボイス制度とは何かを確認したい。(参考=国税庁HPなど)
Q.インボイスって何?
A. インボイスは、法律用語で「適格請求書」と呼ばれ、事業者間で取引する際、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝えることを意味する。具体的には、従来の請求書や領収書に、事業者の登録番号と氏名、税額などの記載が追加された書類またはデータのことを指す。
Q.インボイス制度はどんな制度?
A.売手である仕入れ先の業者が、買手である取引相手(課税事業者)に対して、インボイスを発行する制度のこと。また買手は、仕入れ税額控除の適用を受けるために原則、そのインボイスを保存する必要がある。
Q.なぜ今年から導入?その背景は?
A. 日本では2019年10月、国が消費税率を10%に引き上げる際、低所得者対策として、食料品や新聞など特定の品目の課税率を、他の品目に比べて低く定める軽減税率制度が導入され、当該品目の税率は8%に据え置かれた。