英最高裁、移民のルワンダ移送計画は違法
2023年11月22日 12:40 社会を知る~今週のnewsトピック~日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。
英最高裁、移民のルワンダ移送を違法と判断
15日、英国最高裁は難民申請のために英国に到着した移民らをルワンダへ移送する英政府の計画を違法とした。
移民側が政策の合法性を問い、国を相手取った訴訟では、一審で「合法」と判断されるも、二審では欧州人権条約に反し、英国内の人権法に違反していると判断された。国による最高裁への上告の末に下された今回の判決は、ルワンダの人権状況、難民制度を憂慮した二審判決を維持するものとなった。
移送計画には英国外からの批判も強い。昨年6月、グランディ国連難民高等弁務官は、責任を「輸出」することは英国自身が加盟する難民条約の考えに反するとし、同政府の政策を「完全に間違っている」と強く非難した。
相模原市、反ヘイト条例案の骨子を発表
17日、神奈川県相模原市が、ヘイトスピーチの規制を念頭に置いた人権尊重のまちづくり条例案の骨子を発表した。
条例案は、国籍、信条、性別、障がい、出身などを理由とした差別を禁止し、被差別者らは市長に対し助言や斡旋を求める申し立てが可能となる。
一方で、条例案を諮問された市人権施策審議会が答申していた悪質な差別的言動への罰則や、2016年、障がい者施設「津久井やまゆり園」で同施設の元職員が入所者19人を殺害、26人に重軽傷を負わせた事件をヘイトクライムと位置付けることは見送られた。
同市の本村賢太市長は罰則の見送りについて、「ここ数年、市内で人権問題や差別に関連した深刻な事件が起きていない」からだと言い逃れした。
師岡康子弁護士は「被害者らの期待を裏切る内容」とし、「川崎市では、罰則付きの差別禁止条例が出されて以降、刑事罰を恐れた差別主義者らがヘイトスピーチを自粛している」などと指摘した。
相模原市は今後、条例案に対するパブリックコメントを12月1~9日の間に募集する予定。
「M1」中国揶揄ネタが波紋
毎年、年末に開催される漫才大会の「M1グランプリ」。2023年大会の決勝進出を懸けた予選が行われる中、3回戦であるコンビが披露したネタが波紋を広げている。
物議を醸したのは、お笑いコンビ「ゆかいな議事録」の漫才。8日、東京都で行われた予選3回戦で披露されたネタには、「日本人の8割が中国人嫌い」「中国だと、肉まんにダンボールが入ってました」など、差別的内容が含まれた。
この漫才を視聴した人々からは「お笑いの舞台をヘイトスピーチに利用している」「人種差別だ」など批判が相次いでいる。
一方、相次ぐ差別発言が問題視される自民党の杉田水脈議員が4日、在日朝鮮人への差別デマである「在日特権」が「存在する」とSNSに投稿したことに対し、15日、大阪市の人権擁護団体コリアNGOセンターが投稿の削除を求める抗議声明を発表。「現職国会議員によるあからさまな差別扇動」と非難した。
(朝鮮新報)