〈第45回コマチュック〉ピックアップチーム/大阪
2023年11月12日 10:31 スポーツ関西勢の意地を見せる
府内の朝鮮初級学校の再編に伴い、今年度から新たなチームとしてスタートを切った大阪は、今年の8月に行われた近畿地方初級部対抗戦で堂々優勝。第45回コマチュックの躍進が有力視されるなど、関係者から大きな期待が寄せられた。大阪(ㄱ)は6年生10人で大会に臨んだ。
大会初日、本選予選リーグで、京都・滋賀(ㄴ)、神奈川、東京第4・第5と相まみえた大阪は、無失点で2位を確保。難なく本選1部進出を決めた。
大会2日目、1部リーグでムジゲに7―0と圧勝した大阪は、準決勝進出をかけ、京都・滋賀(ㄱ)と対戦した。両者は勝ち点で並ぶも、得失点差では大阪が優位に立つ状況。引き分け以上で大阪が準決勝に進出するという条件の中、試合はスタートした。
序盤にペースを握ったのは京都・滋賀だったが、大阪は予選無失点の堅守を発揮。0―0で後半を迎えた。後半、攻勢に出た大阪は、同10分にPKを獲得し先制するも、試合終盤に失点を許し、同点に追いつかれ試合終了。大阪は得失点差で準決勝に駒を進めた。
大阪の鄭穂温主将(初6)は大会2日目を終え、「いつも通り、チーム全員で声を出し続けて戦ったことが勝利に繋がった。この勢いのまま優勝したい」と最終日への意気込みを語った。
一方、大会初優勝を目指す選手たちの活躍を後押ししたのは、保護者たちのサポートだった。大会期間、保護者たちは日替わりスープをもてなすなど、選手たちを支えた。
鄭穂温主将の母・李南姫さん(47)は「準決勝に進めて本当に良かった」と安堵しながら「日頃の練習で培ったチームワークを武器に優勝して欲しい」と語った。
来年こそは優勝を
今回、関西勢で唯一4強入りした大阪。準決勝前、大阪の選手、監督、保護者たちは「関西勢の代表として優勝したい」と口を揃えていた。
最終日の準決勝、大阪は、高い攻撃力を武器に勝ち上がってきた東京第3・第9と対戦した。堅守を武器に勝利を重ねてきた大阪だったが、この試合では優れた攻撃力をいかんなく発揮し4―1で勝利。
東京第3・第9の姜晋健監督は(40)「児童たちはよく走ったが、大阪の選手たちのほうが一枚上手だった」と悔しさをにじませた。
優勝まで残り1勝となった東京第1との決勝は、PK戦にもつれこむ死闘となった。1-1で突入したPK戦、大阪は、相手GKの好セーブに阻まれ、1-2で涙を飲んだ。大阪の名で初めて臨んだ今大会は準優勝の成績で幕を閉じた。
初4、6年生の息子がサッカー部に所属している姜君昭さん(50)は、新チームとして再始動した同チームの成長ぶりをそばで見てきた。「チームは確実に強くなっている。4、5年生のなかには有望な選手も多い。来年の大会に期待したい」と前を見据えた。
大阪の尹貴英監督は(33)「児童たちはコマチュックの優勝を目標に、夏休みも休まず練習を重ねてきた。学校が一丸となって大会に臨んだ」とし、「優勝には手が届かなかったが、地域同胞たちに準優勝という嬉しいニュースを届けることができた」と潔く語った。
(文・朴忠信、写真・盧琴順)