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〈朝鮮の国際情勢認識〉パレスチナ問題の背景と本質

2023年10月26日 11:30 時事

昨今の国際関係で新冷戦の構図が深まる中、朝鮮は対外政策において自主的な立場を堅持している。激動する国際情勢を朝鮮はどのように捉えているのか。朝鮮外務省が発信する談話や関係者の見解、国内メディアの報道などを通じて探る。

情勢悪化は米覇権戦略の産物

イスラエルによってパレスチナの地に建設された分離壁には、パレスチナの旗を掲げる市民と、銃口を向けるイスラエル軍の姿が描かれている

パレスチナ・ガザ地区のイスラム抵抗組織ハマスによるイスラエルへの攻撃と、イスラエルが行う「報復」という名の無差別的な大規模空爆は、ガザ地区に住む多数の市民が犠牲となる人道的な惨事を引き起こしている。今回の事態が発生して以降、米欧諸国や日本ではハマスの攻撃に焦点を当てながらイスラエルを擁護する近視眼的な論調が目立つ。しかし、朝鮮は談話や論評などを通じて、悪化の一途を辿る中東情勢の根源は米国にあるという見解を示している。朝鮮の認識を理解するうえで欠かせないのは、パレスチナ問題への歴史的なアプローチである。

「仲裁者」の欺瞞

労働新聞や民主朝鮮は過去に掲載された記事の中で、パレスチナ問題とは「イスラエルのユダヤ復古主義者に奪われた領土を取り戻し、民族的独立と尊厳を回復するためのパレスチナ人の解放闘争に関する問題」だとし、19世紀末まで歴史を遡りながら以下のように同問題を解説している。

(著作者:現代企画室『占領ノート』編集班/遠山なぎ/パレスチナ情報センター)

1880年代、英国をはじめとした帝国主義諸国は中東への侵略・植民地化を本格化させていく過程で、欧州でのユダヤ人迫害や反ユダヤ主義の高まりを機に起きた「シオニズム運動」(パレスチナにユダヤ人国家を建設する運動)を積極的に支援した。これは、パレスチナへのユダヤ人移民を中東進出のカードとして利用するためであった。

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