第29回極美本展/東京都美術館で
2023年10月18日 15:58 文化在日同胞作家らへの期待高く
9月28日から10月5日にかけて、東京・台東区の東京都美術館で第29回極美本展(主催=新極美術協会)が開催された。29回目を迎えた同展では、多数の公募作品の中から優秀作品803点が展示された。
同展では文芸同美術部のメンバーら6人が公募展に入選し、全員が各賞を受賞した。
盧英男氏の渡日した在日朝鮮人一世の夫婦の姿を描いた油絵「スニとヨンス」がバングラディッシュ大使館賞を、済州島の4.3人民峰起をテーマにした夫正鵬氏の油絵「焦土化パゲンイ」がグリーンヒル美術館賞を受賞。また金任稿氏の油絵「風景I」がBJ美術鑑賞、張留美氏の油絵「挑戦」が極美審査員特別賞、金聖蘭氏の連作で水彩画の「過ぎし日の母」、「過ぎし日の幼き姉妹」が極美審査委員賞にそれぞれ輝いた。
また同展の副会長であり審査員を務める朴正文氏の連作であるパステル画「寂寥」と油絵「飛翔」が同展の最高賞を受賞した。
一方、「アジアの子どもの作品の部」には朝鮮学校の児童・生徒たちや朝鮮半島、中国、日本に暮らす子どもたちの作品を集めて構成した合同作品「みんなでパレード」が展示された。
縦4メートル、横7.5メートルの大きな壁面に東アジアの子どもたち500人で仕上げた作品は多くの来場者の目を引いた。同作品は朝鮮学校が日本のNGO「南北コリアと日本のともだち展」と20年に渡り協力し合いながら継続してきた絵画交流から生まれた作品の一つ。今年度は、絵本作家の浜田桂子氏の絵本「へいわってどんなこと」に登場するドラゴンをモチーフに平和への願いを込めて東京、ピョンヤン、ソウル、延吉でのワークショップで仕上がった作品を中心に子どもたちが仲良くパレードする姿などが並んだ。またその下には朝鮮学校の児童たちが描いた朝鮮の伝統工芸「チョガッポ」をイメージしたカラフルな作品を繋ぎ合わせた。
同展には会期中、約2600人が集った。一方、10月1日には授賞式と交流会が行われた。
(朝鮮新報)