4.24教育闘争から75年、朝鮮学園への差別撤廃を求める
2023年04月24日 10:13 民族教育1945年8月15日、アジア太平洋戦争での日本の敗戦によって、朝鮮半島は日本の植民地から解放された。しかし、35年にもわたる日本の植民地支配による様々な問題から、戦後も多くの朝鮮半島出身者が日本での生活を余儀なくされた。朝鮮半島にルーツを持つ在日朝鮮人は、自らの母国語を学び自らのアイデンティティーを獲得するべく、戦後まもなく民族学校を立ち上げていく。そのことは、植民地支配の差別と抑圧を克服し、民族の誇りを取り戻す事であった。
しかし連合国最高司令官総司令部(GHQ)と日本政府は、結託して朝鮮人学校の解散を命じ弾圧に乗り出した。その弾圧に抗して、民族学校を守り通した「4.24(サイサ)教育闘争」(阪神教育闘争)は、マイノリティである在日朝鮮人自らの尊厳を守る闘いであった。
あれから75年、日本は国連の様々な人権条約(人種差別撤廃条約)(市民的および政治的権利に関する国際規約)(経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約)など様々な条約を批准した。また、2001年には、日本政府も参加して「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議」が、南アフリカ共和国ダーバンで開催され、「植民地主義によって苦痛がもたらされ、植民地主義が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されねばならないことを確認する」そして「民族・文化・言語・宗教的マイノリティのアイデンティティーが存在する場合、それらは保護を受けなければならず、そうしたマイノリティに属する者は平等に扱われ、いかなる差別もなく人権と基本的自由を享受するべきであることを確認する」と宣言されている。
しかし、高校の授業料を軽減する「高等学校等就学支援金制度」からは朝鮮高校が排除され、コロナ禍の中で新設された大学生の就学を保障する「緊急給付金制度」からも朝鮮大学校が排除されている。このような状況を決して許しはならない。
平和フォーラムは、2013年3月31日、日比谷野外音楽堂で朝鮮学園の仲間とともに、「朝鮮学校はずしにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!」とする集会を開催した。以来、「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」を全国の仲間とともに組織し、差別的施策の撤廃にとりくんできた。4.24(サイサ)教育闘争から75年、平和フォーラムは、内なる植民地主義を乗り越え、在日朝鮮人社会、朝鮮学園への差別撤廃を求めて、「多文化・多民族共生社会」を、在日同朋の仲間とともにつくりあげるため、最後までとりくんでいく。
2023年4月24日
フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)
共同代表 勝島一博 藤本泰成
(朝鮮新報)