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【連載】光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~③

2023年04月19日 09:00 歴史

「人間回復の橋」横断幕写真(1980年10月)(提供:全国ハンセン病療養所入所者協議会)

【連載】「光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~」では、創作を通じ希望や連帯を希求し、抵抗としての文学活動を展開した朝鮮人元患者らの詩を復刊した詩集「いのちの芽」から紹介していく。(書き手の名前は詩集に掲載された日本名表示のママ)

国本昭夫 1926年・朝鮮全羅南道生まれ。4歳の時に日本へ渡り、41年に多磨全生園に入園。43年に故郷に戻るが、その後再入園。50年に詩誌「灯泥」創刊。

風景

三日月がほんのりと武蔵野に

襤褸(ぼろ)をまとった女が通っていった。

風は凪いでいた。

病室

花が散った。

男が喀血をした。

壁に凍りついた冬。

孤独

あなたが消えてゆく

 

そしてぼくが消えてゆく

 

孤独の炎だけがあとに燃えている

 

まだ雪は降らぬ

 

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