短編小説「伜は前線でたたかっている」5/李相鉉
2023年04月20日 09:00 短編小説人びとの悲鳴が爺さんの胸を突き刺した。
彼はチゲをかついだまま、嫁と一緒に松の木に身をかくして下の方を見下ろした。「ちよんまげ」の息子が、一人の村民の胸ぐらをつかんで引っ立てていくところであった。
―なんとしてもおれは捕まらんぞ!―
人びとの悲鳴が爺さんの胸を突き刺した。
彼はチゲをかついだまま、嫁と一緒に松の木に身をかくして下の方を見下ろした。「ちよんまげ」の息子が、一人の村民の胸ぐらをつかんで引っ立てていくところであった。
―なんとしてもおれは捕まらんぞ!―