〈朝鮮の国際情勢認識〉ASEAN議長国、インドネシアの役割に期待
2023年03月01日 09:00 対外・国際昨今の国際関係で新冷戦の構図が深まる中、朝鮮は対外政策において自主的な立場を堅持している。激動する国際情勢を朝鮮はどのように捉えているのか。朝鮮外務省が発信する談話や関係者の見解、国内メディアの報道などを通じて探る。
9日の朝鮮外務省HPによると、外務省のパク・サンギル東南アジア担当次官が「インドネシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として良い成果を収めることを期待する」と題する文を発表した。東南アジアの10カ国が参加しているASEANでは、加盟国が国名アルファベット順の持ち回りで議長国を務めている。インドネシアは昨年11月、カンボジアから議長国を引き継いだ。
インドネシアは過去に、20世紀の反植民地主義闘争で歴史的な意義を持つ第1回アジア・アフリカ会議(1955年、バンドン会議)、第1回新興国競技大会(1963年、GANEFO)を主催。東西冷戦の両陣営に加わらないことを外交政策の基調とする「非同盟諸国会議」の元老として、アジア、アフリカの新たに独立した諸国間の団結と協力の歴史に大きな足跡を残した。
インドネシア67年に設立されたASEANの創始国(当時の加盟国は5カ国)としても、ASEANが地域の平和と安全を保障し、加盟国や他地域の国との協力を促進することに寄与してきた。今世紀に入ってからは、2018年にインド太平洋に関するASEANアウトルック(概況)を提案したのをはじめ、ASEANの国際的地位を強化する上で重要な役割を果たしている。
昨年11月、インドネシアは大国の利害が複雑に絡まるG20サミット(20カ国・地域首脳会議)を成功裏に主催した。会議の成功は、インドネシアが独自の見解と主張を堅持し、普遍的で中立的な立場を取ったことにあるというのが、公正な国際世論の一致した評価だ。このような中、インドネシア大統領は先日に行われた国内メディアとの会見で、ASEANは誰かの代理人になってはならないとの立場を示した。
朝鮮外務省のパク・サンギル東南アジア担当次官はこのことに関して「インドネシアが長期にわたり具現している独立自主的な立場の表れである」と肯定的に受け止めている。なぜなら「自主と正義、進歩を志向する国と、強権と専横、分裂を追求する勢力との間で矛盾と対立が日増しに激しくなり、『新冷戦』が加速している昨今、自主的立場の堅持は東南アジア諸国はもちろん、ASEANの存立と発展において必須」だと考えているからだ。
パク次官は外務省HPに発表した文で、朝鮮が2007年にASEAN地域フォーラム、08年に東南アジア友好協力条約に加盟し、11年からASEAN駐在大使を派遣していることについて言及。その上で、ASEAN及び加盟国との関係発展は、朝鮮が掲げる自主、親善、平和の対外政策的理念に適うと述べ、今年にASEANとの協力拡大、インドネシアとの関係強化を推し進めていく意欲を示した。
(朝鮮新報)