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日朝有志がともに開催/伊藤孝司写真展・福岡展

2023年01月27日 17:00 交流

伊藤孝司さん(右)が撮影した写真に見入る九州中高の生徒たち

フォトジャーナリストの伊藤孝司さんの写真展「平壌の人びと」福岡展が昨年12月21~27日にかけて、福岡・北九州市の旧門司税関で開催された。写真展の開催には、「朝鮮学校を支える会・北九州」のメンバーをはじめ福岡県の朝鮮学校を支える日朝の有志たちが携わった。

近年はコロナ禍の影響で、朝鮮学校の生徒たちが朝鮮を訪問する機会が失われている。そんな生徒たちに「写真を通じて祖国に触れてほしい」という日朝有志らの思いが写真展開催につながった。

会場には、伊藤さんが平壌や地方都市で撮影した約100枚の写真など、多数の資料が展示された。写真展はまさに「朝鮮一色」となった。

写真展を訪れた九州中高・中高級部の生徒たちは、時代とともに目覚ましいスピードで発展する朝鮮の姿に見入り、40回以上の訪朝経験を持つ伊藤さんとのトークを通じて祖国のさまざまな光景を思い描いた。

実行委員会では写真展を控え、新聞やポスターなどを通じて幅広い人々への宣伝活動を行った。その結果、開催期間には延べ1047人が会場を訪れた。東京と大阪以外の地方都市での開催としては、初めて来場者数が1,000人を超えたという。

写真展を成功裏に開催した実行委のメンバーら

新聞記事やポスターを見て会場を訪れた多くの人々が、報道では目にできない朝鮮の姿に興味を示し、感嘆の言葉を残していた。

ある年配の日本人女性は、60年前に朝鮮に帰国した友達から届いた手紙を持って会場を訪れた。そして写真とその説明版を食い入るように見つめながら、手紙の封筒に書かれている住所と同じ地名を見つけたと嬉しそうに話していた。

また、ある男性は、何気なく立ち寄ったが、数々の写真を眺めるうちに日本の報道が流さない朝鮮の姿を目にしたと驚いていた。男性は「朝鮮にも日常生活を営んでいる人々がいる。それは日本と変わらない。今日ここに来て本当によかった」と感想を残し、会場を後にした。

伊藤さんがカメラに収めた朝鮮の風景は、見る人たちの心にある朝鮮への「嫌悪感」を「親しみ」へと変えてくれるようだった。

実行委のメンバーたちは、朝・日の関係改善には障壁が立ちはだかっているが、その中でも市民レベルの理解と交流を深める上で、写真展が果たした役割は大きいと実感した。

【写真展実行委員会】

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