市職員の差別発言、生活保護申請者が人権救済申立て
2022年12月28日 15:09 社会を知る~今週のnewsトピック~日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。※次回の配信は1月11日(水)になります。
ウトロに太陽光発電所を、市民らの実践つづく
京都府宇治市にあるウトロ平和祈念館の屋上に、市民共同発電所を設置するためのプロジェクトが進められている。同プロジェクトは、ウトロ民間基金財団と市民再エネプロジェクトin京都の協力のもと、市民らの手で太陽光発電設備や蓄電設備、EMSを設置するというもの。
関係者らは近年、日本各地で甚大な被害を及ぼしている豪雨や台風、また世界各地で起こる干ばつや疫病の蔓延など、深刻な環境・社会課題の原因が、人々の営みによって生まれているという問題意識のもと、その解決策の一つに「おひさま発電所づくり」を掲げた。
一方、その拠点をウトロにしたのは、「よりよい社会・あたらしい未来へのヒントがたくさん散りばめられている」(パンフレット「ウトロに太陽光発電所をつくろう!~ウトロで作り ウトロで使う 自然エネルギーを~」より)という理由から。同プロジェクトと関連しては、11月から来年5月末で、寄付プロジェクトも進行中だ。
日本の朝鮮植民地支配下、朝鮮半島から来た人々が労働者として集められたウトロ地区には、戦後、在日朝鮮人たちが、差別のなかでも力を合わせて生きてきた背景があり、その後、ウトロの人々を支えた在日同胞、日本、南朝鮮などの市民らによる連帯の歴史は、誰もが生きやすい地域社会のあり方と可能性を知らしめた重要な例となる。
他方で、こうした歴史や平和を学ぶ地域の拠点づくりは、民間レベルではない、国や行政の責務として行うことが求められている。
市職員の差別発言、生活保護申請者が人権救済申立て
愛知県安城市役所の職員が、生活保護を申請しようとした日系ブラジル人の女性(41)に対し、「外国人には生活保護費は出ない」「早くブラジルに帰ればいい」などと対応していた問題で、女性は27日、市の職員から差別的発言を受けたとして、愛知県弁護士会に人権救済を申し立てた。