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短編小説「鉄の歴史」2/ビョン・ヒィグン

2022年12月23日 09:00 短編小説

その日、高射砲によって10機も撃墜された損害にもこりず、敵機は二度にわたって平炉職場を爆撃したのだった。

平炉職場では流出の瞬間をひかえて、鉄がぐつぐつとにえたぎっていた。ところが、最初の爆撃のとき近くに落ちた爆弾のため、1号炉と3号炉の天井が一部くずれ落ちてしまった。天井の穴からは炎が吹きだし、炉は溶解温度をたもつことができなくなった。そのままでは、銃や大砲になるはずの大切な溶銑が使いものにならなくなる。

ウンチルとビョンドは危機を見すごすことができなかった。2人の視線が火花を散らしながらからみあった瞬間、ウンチルが矢のように1号炉の天井によじ登り、ビョンドが3号炉に走った。

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