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短編小説「澄んだ朝」5/コ・ビョンサム

2022年12月06日 09:00 短編小説

まる1世紀を体験したような夜を明かしながらも、本を読む子どもたちの声を聞いた最高司令官同志は、口もとをほころばせてじっと耳を澄ましていた。子どもたちがのびのびと学ぶ学校や、文化宮殿などが建ちならぶ街路樹の茂った都市を心に描いて、最高司令官同志は、明るい慈愛にみちたほほえみをうかべた。

昼さがりだった。4人の設計家が最高司令部に入って行った。

ちょうど軍事委員会が終ったばかりで、最高司令官同志の部屋からは将官たちが出てくるところだった。副官は、設計家たちより先にきて応接室で待っていた科学者たちを、最高司令官同志の部屋に案内してもどってきた。向こうの無電室ではいそがしくキイの音が鳴り、軍事委員会でおこなわれた最高司令官同志の教示を電波にのせていた…。

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