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核心は日本の過去の清算に基づく国交正常化

2022年09月15日 06:31 対外・国際

朝・日平壌宣言の序文には「両首脳は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与するものとなるとの共通の認識を確認した」とある。

1項では「宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注する」ことを約束し、2項では、日本側が「過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」した。

両首脳が署名した外交文書に明記されているように、平壌宣言の核心は日本の過去清算に基づく朝・日国交正常化である。

平壌宣言には「拉致」という言葉自体がない。

犯罪行為によって生じた問題を解決するために必要なのは、謝罪と責任者処罰、再発防止のための対策である。

拉致問題と関連して朝鮮側は、関係者を刑法に従って処刑し、首脳会談を通じて遺憾の意を表明した。そして平壌宣言の3項において、朝鮮側は「朝・日が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認」した。首脳合意を通じて再発防止を約束したのである。小泉首相も、平壌宣言に署名することで拉致事件を政治的に結着させることに同意した。

当時、朝・日双方は犯罪事件の政治結着に止まらず、拉致被害者に関する後続措置をとることを合意していた。生存する被害者とその家族に対するケアや、死亡した被害者に関する調査と詳細な事実究明などを朝・日の信頼構築、関係改善と同時並行的に進めることになっていた。

ところが日本では拉致問題が平壌宣言履行を妨げる政治手段として利用された。政府は対朝鮮強硬論に押されて一時帰国した拉致被害者を朝鮮に返す約束を破り、信頼を損ねた。朝・日関係が悪化し、拉致被害者に関する問題も暗礁に乗り上げた。

小泉政権の後を継いだ安倍政権は、「拉致問題は日本の最重要課題」「拉致問題の解決なしに国交正常化はない」「拉致被害者の全員生存・全員帰国」のいわゆる「拉致3原則」を掲げた。被害者死亡に関する朝鮮側の発表を全面否定し、相手側がウソを認め、自らの主張が正しかったことが証明されれば問題が解決すると言い張れば、朝・日間の対立は無限に続かざるをえない。

「決して解決しない拉致問題」、歴代政権が受け継いだ「未解決問題」こそが、日本が朝鮮敵視と強硬策を続ける理由となった。

(金志永)

 

 

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