関東大震災虐殺の映画上映会/約300人が集う、国会で
2022年08月23日 16:55 文化関東大震災時の朝鮮人、中国人虐殺を描いたドキュメンタリー映画の上映会(主催=関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺100年・犠牲者追悼大会実行委員会(準備会))が10日、衆議院第一議員会館で行われた。約300人が観覧した。
上映会は、関東大震災での朝鮮人虐殺の真相に迫った「隠された爪跡」と、中国人虐殺を証言と史料でたどった「80年前何があったのか」の2本立て。これらの映画を国会で上映するのは初めてだという。
上映に先立ち、代表の田中宏さん(一橋大学名誉教授)は、この事件が「世界的にも有名な虐殺事件のうちのひとつ」であると強調し「朝鮮人、中国人は災害時のスケープゴートとなった。他民族を地位の低い存在とした日本社会の姿勢が現れている」と指摘。現在も続く外国人差別は、日本のアジア諸国に対する侵略と植民地支配下で起きた関東大震災虐殺からの長い歴史のスパンで考えるべきだと訴えた。
東京・荒川河川敷を舞台にした「隠された爪跡」は、関東大震災を経験した在日朝鮮人男性の証言をもとに始まった遺骨発掘作業を機に1983年に制作された。